瀬戸の風に誘われて〜井上美智子さん〜後編
2014年08月23日
自ら志願して始まったマフィン作り。毎週木曜日に売り出す。「やっぱり売れ行きが気になります」と井上美智子さん
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電話を待っていると、登録していない番号で着信がありました。鈴木社長からでした。
「製造の方はもう決まっちゃったんだけど、販売の仕事で働いてみませんか」と。一瞬、ちょっと気落ちしたんですけど、あこうぱんで働けるなら、と思って、「はい、ぜひお願いします!」と返事しました。
2月下旬から3カ月間の試用期間は自宅から電車で通って、5月24日に赤穂に引っ越しました。私は姉と兄の3人きょうだいで一人暮らしは初めて。親のありがたみと言うんでしょうか。すごく感じました。社長のお母さんが「みっちゃん、南蛮漬け好きか?」「これ、持って帰るか?」ってお惣菜を持たせてくれるんです。ありがたいです。
勤務時間は、基本は午前10時からラスト(閉店)まで。金土日は朝4時から昼1時まで。定休日の火曜日がお休みです。お店に着くと、外の方までパンの匂いがして、「きょうも頑張ろう」という気持ちになります。お店の中でも、ずっとパンの香りに包まれて仕事が出来てとっても幸せです(笑)。
主な仕事内容はレジ係や商品陳列なのですが、4月ごろ、思い切って社長に「ちょっと早めに出社しますので、製造も教えていただけませんか」とお願いしました。そしたら、「おお、ええぞ」と認めてもらえて。自分で考えたマフィンを毎週木曜日に1回30個作らせてもらえることになったんです。
商品名を考えるのも、値札カードを作るのも自分。最初はアイデアもたくさん出たんですけど、ダメ出しが多くて、すぐに行き詰まりました。水曜日の閉店時がアイデアの提出期限なんですが、8回目のときだったか、あまり深く考えずに提出してしまって、社長から「そんなんやったら、やる意味ないやろ」とズドーンと言われて。もう辛くて、辛くて。「二度とこのようなことを言われないようしないといけない」と誓いました。
社長からは「食べてほしい人の顔を思い浮かべながら、どんなパンを作るか考えてみて」とアドバイスをもらいました。そうしたら、イメージがふくらむようになりました。
これからの目標ですか。今は一つのことを言われたら、それしか見えていないんですけど、もっと周りの状況を読んで気配りできるようになりたいです。それと、製造の方は生地にもっと触れてみたいです。ずっとパン屋で働いて、将来的にはやっぱり自分の店を持ちたい。
私、言葉にしないと実際に行動に踏み出せないと思ってるんで、人に話すときは絶対にポジティブなことを言うって決めてるんです。それに何事も絶対にあきらめない。どちらも高校の卓球部で顧問の先生から教えていただいたことです。
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シリーズ企画「瀬戸の風に誘われて〜夢を追って赤穂へやって来た人たち」は今回で終了です。機会があれば第2弾を掲載しますので、ぜひ情報をお寄せください。赤穂民報社
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掲載紙面(PDF):
2014年8月23日(2100号) 4面 (8,451,695byte)
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[ 瀬戸の風に誘われて ]
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