赤高ナイン熱戦譜(27)精密機械が続けて四球
2015年08月01日
グラウンドに声援を送る生徒たち=山中義則さん提供
滝川のエースはサウスポーの南海博。球速はないが、大きく落ちるドロップとコーナーワーク、そして「ほとんど四球がない」(高尾)という精密機械のようなコントロールを武器としていた。準決勝の明石戦も無四球完投だった。
ところが、その南海が7番蓬にストレートのフォアボール。さらに、8番の高尾にも四球を与えた。
実は南海は、三者凡退に打ち取った初回も各バッターへの初球はいずれもストライクゾーンを外れていた。オーバーハンドを横手投げに変えたり、また戻したり。不安定な立ち上がりだった。
滝川高校野球部OB会によると、当時のメンバーは赤高との決勝戦について、「試合経過は覚えとらんが、試合前、赤穂の選手が帽子の下に鉢巻きをして出てきたことだけは覚えとる」と語ったという。
あの鉢巻きが無言の圧力となり、南海の制球を狂わせたのか。二死満塁。三塁側スタンドの大太鼓が「ドンドンドンドン」と割れんばかりに鳴っている。(文中敬称略)
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2015年8月1日(2146号) 3面 (10,527,737byte)
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