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忠臣蔵にちなんだ遺作を奉納

 2008年09月09日 
大石神社に奉納された萩原露堂作「四十七士の歌」と長男健児氏
 赤穂の書家・萩原露堂(1917―2003)が生前に義士への思いを込めて作った木彫「四十七士の歌」など遺作9点が9日、遺族から上仮屋の大石神社に奉納された。
 露堂(本名美男)は大正6年に加里屋に生まれた。幼いころから書に秀でたが本格的に取り組むようになったのは還暦を前にしてから。書に加え、筆跡を木や石に刻む彫刻にも創作分野を広げ、“一生稽古”を信条に600点を超える作品を残した。
 奉納された作品は、「鉄道唱歌」の作詞者として知られる詩人・大和田健樹の義士讃歌全40番を黒地に金で彫字したもの。
 「君の恵にくらぶべば―」で始まる長編詩を縦約70センチ、横約2メートル、厚さ3センチのケヤキに連綿と彫り、昭憲皇太后が大石内蔵助を詠んだ「うめの花 雪にうもれて人しれず 春をやまちし山科の里」が添えられている。部分ごとに異なる技法を用いた労作で、「義士の大ファンだった」という作者の思い入れの強さがうかがえる。
 作品は「義士木造奉安殿」の入口脇に掲出。遺作を奉納した長男で元高校校長の健児さん(63)=神戸市垂水区=は「集大成の作品を最もふさわしいところに展示していただけることになり、父が一番喜んでいるはず」と話していた。
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掲載紙面(PDF):
2008年9月20日(1813号) 4面 (9,740,211byte)
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