郷土ゆかり「雲火焼と赤穂緞通」展
2016年09月03日
桃井ミュージアムで開催中の「雲火焼と赤穂緞通展」
雲火焼は江戸後期から明治初期にかけて大嶋黄谷が赤穂の地で生み出した焼きもの。燃えるような夕焼け空を連想させる窯変が特徴だ。赤穂緞通は中広の児島なかが江戸末期に考案した。繊細かつ風雅な文様が好まれ、明治期に御召列車の敷物に採用されたこともある。
自身も陶芸作家として雲火焼の復興に取り組む同館オーナーの桃井香子さん(73)が「赤穂が誇る工芸品のすばらしさを知ってほしい」と瀬戸内国際芸術祭2016広域連携事業の一つとして今展を企画した。
雲火焼は火入、水指、今まで一般に公開されたことのない手焙2点など。黄谷に陶芸を教えた作根弁次郎、弟子の前賀蓼城の作品を含めて28点を紹介している。赤穂緞通は明治から昭和初期にかけて作られた一畳敷の古緞通と現代作家の作品計約30点。赤穂と並んで「日本三大緞通」に数えられる鍋島、堺の緞通も1点ずつ展示し、特徴を見比べることができる。
また、仮名手本忠臣蔵の各場面を絵付けて海外へ輸出された明治期の洋食器約70点も展示。「日本を代表する絵柄として忠臣蔵が取り扱われていた表れでは」(桃井さん)として興味深い。
鑑賞料300円。9月19日(月)まで午前10時〜午後4時。火曜休館。「涼を呼ぶ水琴窟の祭典」も同日まで開催している。Tel56・9933。
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掲載紙面(PDF):
2016年9月3日(2198号) 1面 (12,900,066byte)
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