公共施設「19%以上縮減」市方針
2017年01月14日
赤穂市は、公共施設や道路、橋梁などのインフラ施設の長期的な維持管理方針を定める「公共施設等総合管理計画」の素案をこのほど公表。建物延床面積の総合計を今後30年間で「19%以上縮減」する目標を設定した。
今月25日までパブリックコメントで市民の意見を募り、今年度中に計画を策定する。
市が保有する公共施設(道路、水道などインフラ設備を除く)は329施設あり、建物の総延床面積は約32・4万平方メートル。市民一人当たり6・7平方メートルとなっている。
市の試算では、それらの建物すべてを今後40年間維持するための改修や更新に「一年平均26・7億円が必要」(契約管財課)。一方、市の人口は今後30年間で18・8%減少すると予測されており、財政的な懸念がある。
素案によると、計画期間は平成29年度から58年度までの30年間。施設の廃止や統合、一つの建物に複数の機能を持たせる複合化などを進めて総延床面積を19%以上縮減し、市民一人当たり面積が現状より増えないようにする。維持する建物については予防的な修繕で長寿命化を図る。また、民間活用や広域化なども取り入れ、効率的な施設運営を推進する、としている。
同計画では、行政系、学校教育系など施設類型ごとの基本的な管理方針までをまとめ、施設ごとの具体的な個別計画は方針に基づいて各所管が立てる。副市長をトップとする庁内連絡会議を設置し、各施設の老朽度、利用状況、コストなどの情報を一元的に収集、管理、分析。人口動向や財政状況などに応じて適宜計画を見直す。
同課は「人口が減少していく中、市民負担が今よりも重くならないようにしながら、住民サービスをできるだけ維持するためのもの」と計画の趣旨を説明している。
同計画の素案は同課(市役所3階)と各公民館で閲覧できるほか、市ホームページでも公開している。主な施設類型の管理方針要旨は次のとおり。
▽庁舎など=適切な維持管理で長寿命化を図る。上下水道部庁舎は早急に建替え等の措置を講じる必要がある。
▽消防施設=建替え時に耐震性の確保や適切な維持管理を実施。コンクリートブロック造の消防団詰所は順次建替え、統合や水防倉庫の設置を検討。
▽学校=修繕・改修を計画的に実施。児童・生徒数の増減に対応した施設整備を行い、空き教室の有効活用策を検討する。学校の統廃合は児童・生徒数の動向や地域住民の意向等を踏まえ、将来的に検討する。
▽幼稚園・保育所=耐震診断未実施の施設は優先順位の高いものから耐震性の確保を検討。子どもの数、学校の統廃合の動向、地域意向等を踏まえ、施設の統合や認定こども園の設置等を検討する。
▽幼児・児童施設=児童館は当分の間は現状水準を維持。老朽化が進んでいる施設は大規模改修や建替え時に他施設との複合化等を検討する。
▽集会施設=利用者の動向、老朽状況、設置目的等を踏まえ、統合、転用、複合化、縮小、廃止などの適正化を検討。省エネルギー化などを検討。
▽文化施設=長寿命化を図るとともに、優先順位を決め計画的な維持補修を行う。
▽博物館等=収蔵スペースが不足しているため、他施設における空きスペースを勘案しつつ、収蔵施設の集約化などを検討する。赤穂城等の歴史的建造物は市のシンボル的な存在のため、適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽図書館=適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽スポーツ施設=市民総合体育館は天井や窓、照明器具等の非構造部材の耐震化を図る。耐震診断が未実施の地区体育館は耐震性の確保を検討。青少年武道館、相撲場、地域スポーツ振興器具収納施設は老朽や利用の状況などを踏まえ、統合、複合化、縮小、廃止、広域連携等を検討する。
▽レクリエーション施設(ふれあいの森、東御崎海岸売店など)=適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽産業系施設(緞通作業所)=大規模改修や建替え時に、利用者の動向、老朽状況等を踏まえ、他施設との複合化等を検討する。
▽高齢福祉施設・障害福祉施設=需要増加が予想されることから、民間による運営が望ましいとされる施設は、さらに適正なあり方を検討。
▽医療施設=市民病院は適切な維持管理で長寿命化を図り、ライフサイクルコストを削減。診療所、医師住宅は今後の診療体制とあわせて維持管理のあり方を検討。
▽公営住宅=高齢化に伴い、将来的に利用者の利便性、効率性を鑑みながら社会ニーズに合った住宅の維持改修に努める。老朽化で用途廃止した住宅は解体後、用地の有効な利用方法を検討する。
▽公園=耐震化、バリアフリー化等の施設の更新は利用状況や地元要望等も踏まえ検討。
▽供給処理施設(美化センター、不燃物最終処分場など)=美化センターは今後の需要を見据えて、近隣自治体と広域連携を検討する。
掲載紙面(PDF):
2017年1月14日(2215号) 1面 (13,262,155byte)
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今月25日までパブリックコメントで市民の意見を募り、今年度中に計画を策定する。
市が保有する公共施設(道路、水道などインフラ設備を除く)は329施設あり、建物の総延床面積は約32・4万平方メートル。市民一人当たり6・7平方メートルとなっている。
市の試算では、それらの建物すべてを今後40年間維持するための改修や更新に「一年平均26・7億円が必要」(契約管財課)。一方、市の人口は今後30年間で18・8%減少すると予測されており、財政的な懸念がある。
素案によると、計画期間は平成29年度から58年度までの30年間。施設の廃止や統合、一つの建物に複数の機能を持たせる複合化などを進めて総延床面積を19%以上縮減し、市民一人当たり面積が現状より増えないようにする。維持する建物については予防的な修繕で長寿命化を図る。また、民間活用や広域化なども取り入れ、効率的な施設運営を推進する、としている。
同計画では、行政系、学校教育系など施設類型ごとの基本的な管理方針までをまとめ、施設ごとの具体的な個別計画は方針に基づいて各所管が立てる。副市長をトップとする庁内連絡会議を設置し、各施設の老朽度、利用状況、コストなどの情報を一元的に収集、管理、分析。人口動向や財政状況などに応じて適宜計画を見直す。
同課は「人口が減少していく中、市民負担が今よりも重くならないようにしながら、住民サービスをできるだけ維持するためのもの」と計画の趣旨を説明している。
同計画の素案は同課(市役所3階)と各公民館で閲覧できるほか、市ホームページでも公開している。主な施設類型の管理方針要旨は次のとおり。
▽庁舎など=適切な維持管理で長寿命化を図る。上下水道部庁舎は早急に建替え等の措置を講じる必要がある。
▽消防施設=建替え時に耐震性の確保や適切な維持管理を実施。コンクリートブロック造の消防団詰所は順次建替え、統合や水防倉庫の設置を検討。
▽学校=修繕・改修を計画的に実施。児童・生徒数の増減に対応した施設整備を行い、空き教室の有効活用策を検討する。学校の統廃合は児童・生徒数の動向や地域住民の意向等を踏まえ、将来的に検討する。
▽幼稚園・保育所=耐震診断未実施の施設は優先順位の高いものから耐震性の確保を検討。子どもの数、学校の統廃合の動向、地域意向等を踏まえ、施設の統合や認定こども園の設置等を検討する。
▽幼児・児童施設=児童館は当分の間は現状水準を維持。老朽化が進んでいる施設は大規模改修や建替え時に他施設との複合化等を検討する。
▽集会施設=利用者の動向、老朽状況、設置目的等を踏まえ、統合、転用、複合化、縮小、廃止などの適正化を検討。省エネルギー化などを検討。
▽文化施設=長寿命化を図るとともに、優先順位を決め計画的な維持補修を行う。
▽博物館等=収蔵スペースが不足しているため、他施設における空きスペースを勘案しつつ、収蔵施設の集約化などを検討する。赤穂城等の歴史的建造物は市のシンボル的な存在のため、適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽図書館=適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽スポーツ施設=市民総合体育館は天井や窓、照明器具等の非構造部材の耐震化を図る。耐震診断が未実施の地区体育館は耐震性の確保を検討。青少年武道館、相撲場、地域スポーツ振興器具収納施設は老朽や利用の状況などを踏まえ、統合、複合化、縮小、廃止、広域連携等を検討する。
▽レクリエーション施設(ふれあいの森、東御崎海岸売店など)=適切な維持管理で長寿命化を図る。
▽産業系施設(緞通作業所)=大規模改修や建替え時に、利用者の動向、老朽状況等を踏まえ、他施設との複合化等を検討する。
▽高齢福祉施設・障害福祉施設=需要増加が予想されることから、民間による運営が望ましいとされる施設は、さらに適正なあり方を検討。
▽医療施設=市民病院は適切な維持管理で長寿命化を図り、ライフサイクルコストを削減。診療所、医師住宅は今後の診療体制とあわせて維持管理のあり方を検討。
▽公営住宅=高齢化に伴い、将来的に利用者の利便性、効率性を鑑みながら社会ニーズに合った住宅の維持改修に努める。老朽化で用途廃止した住宅は解体後、用地の有効な利用方法を検討する。
▽公園=耐震化、バリアフリー化等の施設の更新は利用状況や地元要望等も踏まえ検討。
▽供給処理施設(美化センター、不燃物最終処分場など)=美化センターは今後の需要を見据えて、近隣自治体と広域連携を検討する。
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