関西福祉大学リレーコラム・健康は未来へのおくりもの!(2)
2017年09月02日
【子どものネット長時間利用と生活の変化】
前回は生活リズムと生体リズムの関係をお話しましたが、今回は今、子どもたちの生活リズムの乱れに影響していると考えられる問題についてお伝えします。
現代の生活は、さまざまなメディア抜きには考えられません。ネットの発達とともにスマートフォン全盛期、中学生の大多数、小学校高学年にも普及し、小学校低学年の児童でも持っている子が増えてきています。
内閣府の発表によると、平成27年度の調査では、青少年(10―17歳)全体で平日1日のネット利用時間が141・8分、高校生では192・4分でした。平成22年度では、携帯電話・スマートフォンからのネット利用時間は平均1日あたり71・0分だったので、ネット利用時間は数年で2倍近くに増えていることになります。
スマートフォンの普及により子どもたちのネット利用時間は激増しています。ネットの利用時間には個人差がありますが、平日のネット利用時間では1時間未満の者が20%以上いる一方で、5時間以上の者が11・4%(高校生では19・8%)もいました。つまり、1割以上の子どもたち、高校生では2割に及ぶものの生活リズムが乱れているかもしれないといえます。
また、全国学力・学習状況調査の結果では、どの教科でも携帯電話やスマートフォンでのネット利用時間が長いほど成績が悪くなることが示されています。さらに中高生のスマートフォン長時間利用者の傾向として、「朝食をとらない」「毎日が楽しくない」「将来の目標がはっきりしない」「いらいらする」「やる気が起きない」「気分が落ち込む」「自分に自信が持てない」などの回答が多いという結果もでています(ベネッセ教育総合研究所)。
生活上のさまざまな課題とネットの長時間利用が同時に起きやすく、複合的に子どもにとって望ましくない状況ができていると考えられています。ネットの長時間利用は、ネット依存の問題とも関連します。不安傾向の強い子どもがネットを長時間利用することによって離れづらくなり、朝起きられない、学校に行けないなどの問題とつながるのがネット依存の問題です。
そこで提案です、子どもたちの健康な生活のためにネット利用状況の把握や乱れた生活リズムを改善するための声かけは適宜行い、とくに家庭内でのコミュニケーションを十分もつことから子どもたちが自分で時間を区切れるよう導きましょう。(岡本啓子・看護学部教授)
掲載紙面(PDF):
2017年9月2日(2244号) 4面 (16,703,268byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
前回は生活リズムと生体リズムの関係をお話しましたが、今回は今、子どもたちの生活リズムの乱れに影響していると考えられる問題についてお伝えします。
現代の生活は、さまざまなメディア抜きには考えられません。ネットの発達とともにスマートフォン全盛期、中学生の大多数、小学校高学年にも普及し、小学校低学年の児童でも持っている子が増えてきています。
内閣府の発表によると、平成27年度の調査では、青少年(10―17歳)全体で平日1日のネット利用時間が141・8分、高校生では192・4分でした。平成22年度では、携帯電話・スマートフォンからのネット利用時間は平均1日あたり71・0分だったので、ネット利用時間は数年で2倍近くに増えていることになります。
スマートフォンの普及により子どもたちのネット利用時間は激増しています。ネットの利用時間には個人差がありますが、平日のネット利用時間では1時間未満の者が20%以上いる一方で、5時間以上の者が11・4%(高校生では19・8%)もいました。つまり、1割以上の子どもたち、高校生では2割に及ぶものの生活リズムが乱れているかもしれないといえます。
また、全国学力・学習状況調査の結果では、どの教科でも携帯電話やスマートフォンでのネット利用時間が長いほど成績が悪くなることが示されています。さらに中高生のスマートフォン長時間利用者の傾向として、「朝食をとらない」「毎日が楽しくない」「将来の目標がはっきりしない」「いらいらする」「やる気が起きない」「気分が落ち込む」「自分に自信が持てない」などの回答が多いという結果もでています(ベネッセ教育総合研究所)。
生活上のさまざまな課題とネットの長時間利用が同時に起きやすく、複合的に子どもにとって望ましくない状況ができていると考えられています。ネットの長時間利用は、ネット依存の問題とも関連します。不安傾向の強い子どもがネットを長時間利用することによって離れづらくなり、朝起きられない、学校に行けないなどの問題とつながるのがネット依存の問題です。
そこで提案です、子どもたちの健康な生活のためにネット利用状況の把握や乱れた生活リズムを改善するための声かけは適宜行い、とくに家庭内でのコミュニケーションを十分もつことから子どもたちが自分で時間を区切れるよう導きましょう。(岡本啓子・看護学部教授)
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2017年9月2日(2244号) 4面 (16,703,268byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関福大リレーコラム・正しく生きるための第三歩〜良い結果を導く行為 2021年04月03日関福大リレーコラム・正しく生きるための第二歩〜義務に適った行為について 2021年02月27日関福大リレーコラム・倫理学への招待〜正しく生きるための第一歩〜 2021年02月07日関福大リレーコラム・食べる=生きる土台(4)正しい箸使用で心豊かに 2021年01月30日関福大リレーコラム・食べる=生きる土台(3)日本の行事食の豊かさにふれる 2021年01月16日関福大リレーコラム・食べる=生きる土台(2)食べ物の好き嫌いからみえること 2020年12月05日関福大リレーコラム・食べる=生きる土台(1)しっかりと噛むことが大切 2020年11月21日関福大リレーコラム・情報モラルは人としての道徳 2020年11月01日関福大リレーコラム・学校と家庭のICT 2020年10月12日関福大リレーコラム・メディアリテラシーが家族を救う 2020年10月03日関福大リレーコラム・子どもにとってスマホはゲーム機―ルールを決めてスマホを健全に使う 2020年09月05日関福大リレーコラム・消し去ってはダメな言葉 2020年08月01日関福大リレーコラム・日本の良さ 2020年04月04日関福大リレーコラム・かしこい人に 2020年03月07日関福大リレーコラム・具体的にほめる 2020年02月07日
コメントを書く