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遺物に見る開戦間近の赤穂

 2018年01月11日 
有年考古館で開催中の企画展「発掘された昭和のくらし」
 第二次世界大戦が始まった昭和16年ごろにまとめて捨てられたとみられる日用品や玩具などが赤穂市教委の城下町跡発掘調査で出土。当時の世相を映す遺物として、有年楢原の赤穂市立有年考古館で開催中の企画展「発掘された昭和のくらし−大赤穂と戦争の時代−」で公開している。
 市教委によると、遺物は食器や文房具、靴など生活用品のほか、中身が残った化粧品の瓶やレコードなど多種多様。いっしょに見つかったカレンダーの年号などから、昭和15年以前のものと推定できるという。
 当時は昭和12年に赤穂町、尾崎村、塩屋村、新濱村の4町村が合併。新体制の赤穂町は「大赤穂」と呼ばれた。中心部には映画館やカフェ、洋食店といった近代的な店舗が集まって赤穂郡内随一のにぎわいをみせ、華やかな大衆文化が花開いていたという。一方、「ぜいたく品」の製造販売を禁じる法律が昭和15年に施行され、全国各地で休廃業に追い込まれる飲食店が続出するなど戦時ムードが急速に高まった時期でもある。
 今回見つかった遺物には大量の徳利や当時は珍しかったコーヒーカップなどもあり、ほとんどが割れたり壊れたりしていない完全な形のまま捨てられていた。「禁令による廃業や、ぜいたく品を追放する市民運動の中で『ごみ』として捨てられたのでは」と市教委の山中良平学芸員(30)。「これらの遺物は、豊かだった戦前の暮らしと、それが戦争によって破壊されていった様子を私たちに教えてくれているように思います」と話している。
 企画展は1万点を超える出土遺物のうち主な約1000点を展示。2月4日(日)まで午前10時〜午後4時(火曜休館)。入館無料。Tel49・3488。
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