善意の見守り 高齢者救う
2018年01月27日
善意の見守りで高齢者を救い、自治会関係者から称えられる藤本敏也さん
男性は倒れてから少なくとも丸1日以上、暖房のついていない部屋で何も食べずに身動きがとれなくなっていたとみられ、発見が遅れていれば命にもかかわる事態だった。自治会関係者は「藤本さんのおかげで助かった」と感謝している。
自治会役員によると、男性は救出時、「2日前に倒れた」と話したという。電話をかけることもできず、たまたま手の届くところにあったペットボトル入りの炭酸飲料を飲み、しのいでいたとみられる。
藤本さんは男性と近所付き合いがあり、しばしば男性宅を訪問。高齢の男性に代わって食料品の買い出しをしてあげるなど日頃から親切にしていた。男性が半月ほど前から体の不調を訴えていたと人から聞き、心配になって様子を見に行ったところ、倒れている男性を発見したという。
「『助けてー、助けてー』言うとった。びっくりした」と藤本さん。自治会役員宅に「大変や」と駆け込んだ。役員らが駆け付け、男性は事なきを得た。救急搬送先の病院で治療を受け、命に別状はないという。
藤本さんは加里屋の就労継続支援A型事業所「フロンティア」に勤務。週5日、リサイクル家電の分別に従事している。別の部署が製造する洋菓子の販売にも熱心で、事業所管理者の井上育俊さん(58)によると、「自らすすんで飛び込み営業するなど一生懸命。責任感が強い」という。
しかし、一方で自分の言いたいことをうまく伝えられず、誤解を招いたり、煙たがられたりすることも少なくない。何度か会えば人柄を理解してもらえるが、藤本さんを知る人の話では、「冷たい言葉を浴びせられ、泣いていることもあった」という。
千鳥自治会の村阪産代一会長(63)は「障害のある人を偏見で決めつけることはよくないと改めて感じた。今回の出来事が障害者への理解につながるきっかけの一つになれば」と話している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年1月27日(2264号) 1面 (12,256,378byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
花壇整備の公園で花に囲まれ歌う [ 街ネタ ] 2024年11月11日中浜町で今年もカボチャのハロウィン飾り [ 街ネタ ] 2024年10月19日夜空に長い尾「紫金山・アトラス彗星」坂越の前田邦稔さん撮影 [ 街ネタ ] 2024年10月15日黒崎町の市道路肩にスイカ [ 街ネタ ] 2024年10月15日この季節に珍しい桜の花咲く [ 街ネタ ] 2024年10月02日生活の中にある美術 89歳男性がアートギャラリー 城南緑地のコクチョウ死ぬ [ 街ネタ ] 2024年05月17日一本のハナミズキに赤と白の花 [ 街ネタ ] 2024年04月27日「見た目にだまされないで」創作パンで詐欺防止PR [ 街ネタ ] 2024年03月09日路傍の掲示板に善意の書 続けて30年 男性の思い 城南緑地の飼育施設 ウサギの数ついにゼロ [ 街ネタ ] 2023年12月17日電動カートの下敷きになった半身麻痺の女性助けた「地獄に仏」 [ 街ネタ ] 2023年12月13日赤穂駅南ロータリーにイルミ設置 義士祭前夜と当夜に点灯 [ 街ネタ ] 2023年12月08日高齢者クラブが野菜栽培 交流と生きがいに [ 街ネタ ] 2023年10月28日重さ約200キロの「カボチャのお化け」 [ 街ネタ ] 2023年10月21日
コメントを書く