- トップページ>
- 絵本で世界を旅しよう>
- 記事詳細
とんぼ
2018年09月15日
『とんぼ』○詩/チョン・ジョンチョル ○絵/イ・グヮンイク ○訳/おおたけきよみ ○岩崎書店
『とんぼ』は、韓国の絵本です。さぞ楽しい物語と思っていましたが、そうではありません。
野原の花の根元で、一匹のトンボが死にました。アリたちが集まり、「たるらん、たるらん」(野辺送りの葬列で鳴らされる鈴の音)と鈴の音を響かせながらとんぼの弔いをするのです。美しい絵に秘められたアリによるトンボの葬儀に一瞬唖然としました。
訳者のおおたけきよみさんは、「死は自然の摂理であって、恐怖ではないのです」と、本の帯に書かれています。
たしかに、この世に生を受けたものは、必ず「死」を迎えます。そのことをこれほどまでに静かに、そして美しく描いた絵本に出会ったことはありません。朝鮮文化の崇高さのようなものに触れた気がしました。
なお、赤穂にも「とんぼ」の話が伝えられています。『赤穂の昔話第二集』を手にしてもらえればうれしいです。
* * *
『とんぼ』○詩/チョン・ジョンチョル○絵/イ・グヮンイク○訳/おおたけきよみ○岩崎書店
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年9月15日(2293号) 3面 (11,564,347byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 絵本で世界を旅しよう ]
あなたならどうする? 2016年11月26日かえでの葉っぱ 2016年11月05日心に残った絵本 2016年10月01日忘れられない絵本 2016年08月13日夏の夜のファンタジー 2016年07月23日ハワイ土産 2016年07月02日ブリテン国物語 2016年06月25日鹿が兄弟? 2016年06月11日ねずみとくじら 2016年05月28日夢みるこどもたち 2016年05月21日アメリカの教科書に掲載されたお話 2016年05月14日ネビルってよんでみた 2016年04月23日ウルグアイ大統領の思い 2016年04月16日チーロの歌 2016年03月19日文字がないのに読める絵本 2016年03月05日
コメントを書く