- トップページ>
- 絵本で世界を旅しよう>
- 記事詳細
忘れられない絵本
2016年08月13日
『かわいそうな ぞう』 ○文/つちや ゆきお ○絵/たけべ もといちろう ○金の星社
先の大戦で、日に日にアメリカのB29による爆撃が続くなか、東京の上野動物園の飼育員の苦悩を実話でつづった絵本です。
この絵本は、1970(昭和45)年の8月に出版され、多くの人々に感動を与えました。
わたしが、この絵本を手にしたのは、有年中学校での歴史の授業で「戦争」をどう受けとめるべきか悩んでいるときでした。
私の父は、ビルマ(ミャンマー)の山中で戦病死しました。このことがわたしの「戦争」に対する考え方を真正面から見つめることができにくくしていたのです。
でも『かわいそうな ぞう』に出会ったことで、冷静に、よりいろいろな面から戦争を学んでいこうという姿勢が生まれてきました。
今は亡き妻があるとき「過酷で、むごたらしい戦争のことばかり考えていると……」と忠告をしてくれたことがありました。しかし、私の「戦争」に対する思いはむしろ深まっていきました。
そして、自分の思いを2冊の本にして、多くの人々に少しでも多くのことを知ってほしいと思うようになりました。
わたしは、『かわいそうな ぞう』(金の星社)のページをめくるたびに、いつも何かを教えられています。
* * *
『かわいそうな ぞう』○文/つちや ゆきお○絵/たけべ もといちろう○金の星社
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2016年8月13日(2196号) 3面 (13,013,403byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 絵本で世界を旅しよう ]
かぜのでんわ 2021年03月11日ソフィー・スコットの南極日記 2020年12月05日中国のシンデレラ 2020年11月21日アイヌ文化に思うこと 2020年11月14日「本と図書館の歴史」に学ぶ 2020年10月31日アメリカの神話 2020年05月02日つぼつくりのデイヴ 2020年03月20日おじいちゃんの思い 2020年03月07日たいせつな友だち 2020年02月22日タンザニアのおはなし 2020年02月08日恐竜への思い 2020年01月25日あおくんときいろちゃん 2020年01月18日チーズとねずみ 2020年01月01日幻の絵本 2019年11月30日文字のない絵本 2019年11月23日
コメントを書く