人命救助の中学生に「のじぎく賞」
2018年11月13日
救急救助活動の功績で「のじぎく賞」を贈られた延原豪暁君
のじぎく賞を受賞したのは、3年の延原豪暁君(14)=加里屋=。
延原君によると、先月19日午後、通学路を一人で下校中、元町の市道の反対側で「ドン」という鈍い音がしたのに気付いた。音がした方向を見ると、作業服姿の男性が路肩に仰向けになって倒れており、建築現場の足場(高さ約3メートル)から転落したことがわかった。
駆け寄ると、男性は頭から流血して意識がなく、「不規則な、いびきのような呼吸」だった。そばにいた男性の同僚に「僕がやります」と告げ、すぐに心臓マッサージと人工呼吸を実行。救急車が到着する前に男性の意識を取り戻した。この間、「1〜2分のことだったと思うけれど、とても長く感じた」という。
延原君は現場を救急隊員に引き継ぎ、その場を離れた。その日の夕方、消防署から「救命処置をした男子生徒の名前を調べてほしい」と学校へ問い合わせがあり、学校の聞き取りで善行が明らかになった。
同校では「気づき」「考え」「実行する」を信条とする青少年赤十字(JRC)活動に長年取り組んでいる。また、毎年2年生を対象に「ジュニア救急教室」を開き、心肺蘇生法をトレーニング。延原君も昨年に受講しており、「そのときに学んだ手順を覚えていたのが役に立った」という。
後日、救命した男性がお礼に自宅を訪れ、父の小学校時代の同級生の自営男性(51)だとわかった。男性は左鎖骨骨折と左側頭部を10針縫う大けがだったが、事故から約10日後に仕事に復帰。男性は赤穂民報の取材に「延原君の勇気ある行動に感謝しています。救ってもらった命を大切に生きていきたい」と話した。延原君は「自分がやるしかないと思い、あとは無心で行動しました。大事にならなくて本当によかった」と振り返った。
「倒れて血を流している生身の人間を救助するのは簡単なことではなかったはず。誰にでも出来ることではない」と平井正彦校長(60)。「人の役に立って感謝され、喜ばれることが自分の『幸せ』の原点である、というのがJRCの基本理念。それをまさに実践したことが立派」と称賛している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年11月17日(2301号) 1面 (9,101,683byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「産廃処分場建設反対」住民団体がアピール行進 [ 社会 ] 2024年02月21日大規模災害想定しボランティアセンター開設訓練 綿栽培通して「人間サイズのまちづくり」兵庫県から奨励賞 赤穂署管内の刑法犯「乗り物盗」が3割 救急出動 前年から12%増 2年連続過去最多 [ 社会 ] 2024年02月17日元市民病院脳外科医 転職先でも医療トラブル 透析治療せず患者死亡か [ 社会 ] 2024年02月10日断水続く石川県穴水町へ給水車を災害派遣 [ 社会 ] 2024年02月08日赤穂署で「術科始め式」署員ら決意新た [ 社会 ] 2024年02月07日京アニ放火殺人事件の判決受け遺族が心境〈後編〉「心の奥に氷の塊がずっと」 京アニ放火殺人事件の判決受け遺族が心境〈前編〉「どんな判決が出ても、息子は帰ってこない」 市民病院が経営強化案「2039年度の黒字化を目標」 [ 社会 ] 2024年01月31日能登地震被災地で医療支援 赤穂中央病院AMAT [ 社会 ] 2024年01月27日赤穂市議会の定数削減方針まとまる 1減の17へ [ 社会 ] 2024年01月27日市民病院PET−CT売却 3300万円で落札 [ 社会 ] 2024年01月27日料金所の強盗想定、山陽道で防犯訓練 [ 社会 ] 2024年01月24日
コメント
0 0
投稿:へこ太郎 2018年11月15日赤穂の誇りです。
0 0
投稿:モラル 2018年11月15日自分なら出来てなかったでしょうね。14歳の時・・・
これからもその志しを忘れずに成長してくださいね。
0 0
投稿:忠臣蔵 2018年11月15日〇ttps://twitter.com/FIFI_Egypt/status/1062490210091454465
この、言ってみれば当たり前の事を中学生がやっただけのニュースなのですが、大人が思う事は世界中で同じなんです・・・・いや〜延原君!立派!ありがとう!
0 0
投稿:赤穂の誇り 2018年11月14日0 0
投稿:読者 2018年11月14日これを励みに これからの人生も頑張って下さい。
0 0
投稿:上杉謙信 2018年11月14日コメントを書く