創作昔話・仮屋の仏さま(五)
2019年03月02日
百姓の人々は、だれ言うとなく木や板を運んできて、小屋の周りに、一回り大きな小屋を作り始めました。お坊さんのそばに、囲炉裏を作り、食べ物を運んできてお坊さんのために食事を用意したりしたのです。
そして、毎日、農作業を終えた百姓の人たちは、この小屋にやってきては、お坊さんのお話を聞くようになっていたのです。
話を聞いている間に、人々は、不思議と心が温かくなり、いつの間にか、胸の前で手のひらを合わせて聞くようになっていました。
お坊さんは、お話をしていても、槌とたがねで、いつも石を削っていました。(作・切り絵=村杉創夢)
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2019年3月2日号(2316号) 3面 (10,873,632byte)
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