天へ昇った「スズランおじさん」
2008年12月19日
在りし日の松村良明さん
高雄生まれの松村さんは仕事の関係で昭和34年に北海道に移住。冬の寒さに耐えて美しい花を咲かせる野生のスズランに感動し、「赤穂にはない花を見せてあげたい」と母校の高雄小へ毎年贈るようになった。
初夏になると届けられる可憐で涼しげな花に児童らは大喜び。松村さんを“スズランおじさん”の愛称で呼んだ。親子2代でプレゼントを受けた児童もあり、2年前には学校に松村さんを招待して感謝祭を開いた。
昨年まで一度も欠かすことなく贈られたスズラン。今年がちょうど50年目にあたることから、同校は記念セレモニーを予定していたが、松村さんが体調を崩して3月に入院。千羽鶴を贈って励ました児童らの願いもかなわず、ついに帰らぬ人に。節目のスズランが届くことはなかった。
長女の浦利恵子さん(52)によると、松村さんは予約した飛行機のチケットを病床の枕元に置き、子どもたちに会うことを楽しみにしていたという。遺品を整理すると、押し入れにいくつもの段ボール箱があり、中から手紙が山のように出てきた。松村さんが宝物にしていた児童からの礼状だった。
母校の子どもたちに愛情を注ぎ続けた松村さん。今もやさしい眼差しを天国から向けていることだろう。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年12月20日(1828号) 4面 (8,744,503byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
皆既月食と天王星食 赤穂上空でも観測 [ 社会 ] 2022年11月09日少年剣士が熱戦 忠臣蔵旗剣道 子育て世帯に米5キロ無料配布 中学生が寸劇で防犯呼び掛け [ 社会 ] 2022年11月04日海から遠くへ「津波防災の日」前に避難訓練 《市民病院医療事故多発》患者妻が心境「防げる命守って」 [ 社会 ] 2022年10月29日3年ぶり選考「赤穂義士娘」が決定 [ 社会 ] 2022年10月26日「相生有年道路」4車線区間1・5キロ延伸へ [ 社会 ] 2022年10月26日第33回MOA美術館赤穂児童作品展の入賞者 「特殊詐欺にだまされないで」赤穂署が防犯ちらし [ 社会 ] 2022年10月19日「仕事のやりがい伝えたい」自動車整備の体験授業 [ 子供 ] 2022年10月05日《市民病院医療事故多発》スタッフから「ボイコット」後も手術 [ 社会 ] 2022年10月01日「ピースロード」正副議長も出席 市議が依頼 「過失の原因知りたい」医療過誤被害家族の声 [ 社会 ] 2022年10月01日第42回赤穂市少女バレーボール選手権
コメントを書く