《市民病院医療事故多発》学会が情報開示要請
2022年01月15日
赤穂市民病院の脳神経外科で起きた医療事故多発問題を受け、日本脳神経外科学会(宮本享理事長)が「医療安全面での問題が否定できない」などとして同病院に対し一連の医療事故に関する情報提供を求めていることが学会への取材でわかった。
学会によると、医療事故多発を大手メディアが報道した昨年12月17日に病院側へ事情照会。病院から提供された要約資料を基にヒアリングした結果を検討した上で、より詳細な情報の開示を1月6日付け文書で要請したという。
同学会は赤穂民報の取材に「報道された内容からは医療安全面での問題が否定できないため、報道された直後から学会として検討および調査を始めている。情報が不足しているため、当該病院に対して本件に関する情報の提供を要請している」と回答した。
この問題をめぐっては、2019年7月から翌年2月にかけて脳神経外科が行った手術で計8件の医療事故が発生。いずれも当時在籍していた男性医師(43)=昨年8月末で依願退職=が関わり、手術後に患者が死亡した事案も含まれる。病院が「医療過誤は1件で、それ以外は医療過誤ではない」としている一方、男性医師は裁判所に提出した答弁書で「(自身の)施術が原因となって障害が生じたと考えられる症例は、本件を含め2例」と意見陳述しており、食い違っている。
病院は医療過誤を否定する根拠として「外部有識者の検証を受け、院内で判断した」としているが、学会はこれらの検証や判断が適切に行われたかどうか疑問視しているとみられる。
同学会による情報開示要請は法令や規則などに基づくものではなく任意で、開示義務はないが、同学会は赤穂市民病院を「専門医指定訓練施設」に指定していることを踏まえ、「今後開示された情報により、専門医指定訓練施設として医療安全上の管理が的確であるかを検証する必要があると考えた場合には、サイトビジット(直接医療機関を訪問して治療実績や治療体制などを含めた教育体制を調べる施設実地調査)を行う用意がある」としており、病院が情報開示に応じるかどうかが注目される。
関連サイト:
【関連記事】あまりに多い問題点(下)
【関連記事】あまりに多い問題点(上)
【関連記事】医療過誤で重度障害 同一医師で事故8件(2021年09月18日)
掲載紙面(PDF):
2022年1月15日号(2446号) 1面 (10,010,703byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
学会によると、医療事故多発を大手メディアが報道した昨年12月17日に病院側へ事情照会。病院から提供された要約資料を基にヒアリングした結果を検討した上で、より詳細な情報の開示を1月6日付け文書で要請したという。
同学会は赤穂民報の取材に「報道された内容からは医療安全面での問題が否定できないため、報道された直後から学会として検討および調査を始めている。情報が不足しているため、当該病院に対して本件に関する情報の提供を要請している」と回答した。
この問題をめぐっては、2019年7月から翌年2月にかけて脳神経外科が行った手術で計8件の医療事故が発生。いずれも当時在籍していた男性医師(43)=昨年8月末で依願退職=が関わり、手術後に患者が死亡した事案も含まれる。病院が「医療過誤は1件で、それ以外は医療過誤ではない」としている一方、男性医師は裁判所に提出した答弁書で「(自身の)施術が原因となって障害が生じたと考えられる症例は、本件を含め2例」と意見陳述しており、食い違っている。
病院は医療過誤を否定する根拠として「外部有識者の検証を受け、院内で判断した」としているが、学会はこれらの検証や判断が適切に行われたかどうか疑問視しているとみられる。
同学会による情報開示要請は法令や規則などに基づくものではなく任意で、開示義務はないが、同学会は赤穂市民病院を「専門医指定訓練施設」に指定していることを踏まえ、「今後開示された情報により、専門医指定訓練施設として医療安全上の管理が的確であるかを検証する必要があると考えた場合には、サイトビジット(直接医療機関を訪問して治療実績や治療体制などを含めた教育体制を調べる施設実地調査)を行う用意がある」としており、病院が情報開示に応じるかどうかが注目される。
<前の記事 |
関連サイト:
【関連記事】あまりに多い問題点(下)
【関連記事】あまりに多い問題点(上)
【関連記事】医療過誤で重度障害 同一医師で事故8件(2021年09月18日)
掲載紙面(PDF):
2022年1月15日号(2446号) 1面 (10,010,703byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
障害者殺傷事件の被害者家族が語る「これからわたしたちがすべきこと」 [ 社会 ] 2022年11月26日婦人共励会の後藤和子会長に県自治賞 [ 社会 ] 2022年11月25日海浜公園のあり方部会「環境保全と民間活力導入」検討 [ 社会 ] 2022年11月25日新給食センター整備へ実施方針公表 「赤穂の警察官賞」で2署員表彰 [ 社会 ] 2022年11月13日皆既月食と天王星食 赤穂上空でも観測 [ 社会 ] 2022年11月09日中学生が寸劇で防犯呼び掛け [ 社会 ] 2022年11月04日海から遠くへ「津波防災の日」前に避難訓練 《市民病院医療事故多発》患者妻が心境「防げる命守って」 [ 社会 ] 2022年10月29日3年ぶり選考「赤穂義士娘」が決定 [ 社会 ] 2022年10月26日「相生有年道路」4車線区間1・5キロ延伸へ [ 社会 ] 2022年10月26日「特殊詐欺にだまされないで」赤穂署が防犯ちらし [ 社会 ] 2022年10月19日《市民病院医療事故多発》スタッフから「ボイコット」後も手術 [ 社会 ] 2022年10月01日「ピースロード」正副議長も出席 市議が依頼 「過失の原因知りたい」医療過誤被害家族の声 [ 社会 ] 2022年10月01日
コメント
一方で裁判では事実関係に齟齬が生じているにもかかわらずだ。
9 4
投稿:怖い 2022年01月15日逆ならありそうだけど。
病院が検証を頼んだ外部有識者って誰なん?
17 4
投稿:赤穂市民病院の患者です 2022年01月15日コメントを書く