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「赤穂緞通の魅力伝えたい」織り手志望の女性が絵本

 2022年09月09日 
 赤穂緞通の織り手になることを目指して今春赤穂に移住した大分県中津市出身の廣津真由さん(26)が、赤穂緞通の魅力を伝えるオリジナル絵本『あこのとくとうせき』を制作。クラウドファンディングで印刷費の寄付を募り、およそ半月で目標額を突破した。

赤穂緞通を題材にした絵本『あこのとくとうせき』


 廣津さんはデザイン系専門学生だった昨年10月、インターネットで知った赤穂緞通に興味を持ち、「赤穂緞通生産者の会」の根来節子会長(71)が新田に開設する工房を見学。「落ち着きの中に華やかさがあって、ずっと触っていたくなる」と赤穂緞通に魅せられ、卒業と同時に根来さんに入門することを決意した。卒業に必要な単位取得の課題だった絵本制作のテーマにも赤穂緞通を選んだ。

 ひいおばあちゃんの時代から伝わる赤穂緞通がお気に入りの女の子が工房を訪ね、人の手で丁寧に作られている緞通の魅力を再発見する物語。「ストーリーが頭の中でポンポンふくらんだ」といい、得意のグラフィックデザインの技術を活かして50ページの大作を約1か月で完成させた。作品を見た根来さんから「絵が素敵で、子どもから大人まで赤穂緞通の魅力を伝えることができる絵本」とほめられ、増刷プランが持ち上がった。

 300部を発行するのに必要な経費を得るために1口2000円〜3万5000円で支援を募集。今月初めに目標額の50万円と超えた。募集締切の10月16日までに寄付総額が100万円に達すれば、経費の都合であきらめていた表紙カバーをオリジナル通りの装丁にでき、発行部数を500部まで増やせる。

 これまでに支援してくれた人の数は50人を超え、赤穂市内や出身地の中津からも寄付があったという。廣津さんは「たくさんの方々が応援してくれて本当にありがたい」と感謝している。

 絵本は年内に印刷予定。支援者には絵本の一場面などをプリントしたポストカードと礼状を進呈。5000円以上の支援者に絵本1冊を進呈する。寄付は「キャンプファイヤー」(https://camp-fire.jp/projects/view/605269)で受け付けている。

赤穂緞通を題材にした絵本を制作した廣津真由さん



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掲載紙面(PDF):
2022年9月10日号(2476号) 1面 (6,830,186byte)
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