積算ミスで工事契約解除 市が損害賠償へ
2024年08月24日
国道2号のバイパス工事に伴う水道管の付け替えのため、赤穂市が今年7月に発注した「有年牟礼配水管移設工事」で、市が落札業者との契約後に設計金額の誤りに気付き、契約を解除した。市は、契約解除で業者が被った損害について「契約書の規定により賠償する」としている。
関係者の話では、契約後に違算が発覚して契約解除に至るのは「聞いたことがない」といい、極めて異例。しかも、この工事は今年5月に別の工事名で入札が予定されていたが、「設計内容に誤りがあった」として中止になっており、同一工事で二度続いた失態に「あまりにもずさん」などとの批判とともに、国道工事の遅れにつながるのではと懸念する声も上がっている。
入札は6月28日に行われ12社が参加。11社が最低制限価格を下回って失格し、残る1社が落札した。積算疑義の申し立て期限の翌日正午までにクレームはなく、市は7月8日に落札業者と契約を締結。しかし、その3日後の11日、「内部での調査により違算が確認された」として、業者に「契約解除」を申し入れた。
市は「今後の入札に支障が出る」ことを理由に違算の具体的な内容を明らかにしていない。情報公開請求で市が開示した決裁文書には、違算によって「予定価格及び最低制限価格が高く算出されたため、本来の落札者が失格となった」「入札の公平性を確保するため、工事請負契約書の規定に基づき契約を解除する」と記載されている。市は赤穂民報の取材に「1社を除いて失格したことを受け、内部で設計を再確認したところ、違算が見つかった。外部からの指摘はなかった」(水道課)と答えた。
この工事をめぐっては、当初は「黒尾配水管移設工事」の名称で今年5月に入札公告されたが、「設計内容に誤りがあった」との理由で入札中止となった経緯がある。市は今月20日、工事名を再び変更して入札を公告。工期は来年1月末に設定され、当初の工期から2か月遅れとなった。
一方、契約解除された業者は取材に対し、「こちらには何の落ち度もないのに一方的に契約を解除され、納得できない。すでに発注した部材の費用、本来なら得られた利益も逸失することになり、これらの損害を賠償してほしい」と訴えている。
市は「関係する皆様にご迷惑をお掛けしたことについて、心からおわび申し上げます。今後は業務の適正な執行に向け、再発防止の取組を徹底してまいります」とし、業者への損害賠償額は「業者から申し出があった損害額を精査した上で妥当な額を賠償することになる」(同課)としている。
掲載紙面(PDF):
2024年8月24日号(2564号) 1面 (6,142,600byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
関係者の話では、契約後に違算が発覚して契約解除に至るのは「聞いたことがない」といい、極めて異例。しかも、この工事は今年5月に別の工事名で入札が予定されていたが、「設計内容に誤りがあった」として中止になっており、同一工事で二度続いた失態に「あまりにもずさん」などとの批判とともに、国道工事の遅れにつながるのではと懸念する声も上がっている。
入札は6月28日に行われ12社が参加。11社が最低制限価格を下回って失格し、残る1社が落札した。積算疑義の申し立て期限の翌日正午までにクレームはなく、市は7月8日に落札業者と契約を締結。しかし、その3日後の11日、「内部での調査により違算が確認された」として、業者に「契約解除」を申し入れた。
市は「今後の入札に支障が出る」ことを理由に違算の具体的な内容を明らかにしていない。情報公開請求で市が開示した決裁文書には、違算によって「予定価格及び最低制限価格が高く算出されたため、本来の落札者が失格となった」「入札の公平性を確保するため、工事請負契約書の規定に基づき契約を解除する」と記載されている。市は赤穂民報の取材に「1社を除いて失格したことを受け、内部で設計を再確認したところ、違算が見つかった。外部からの指摘はなかった」(水道課)と答えた。
この工事をめぐっては、当初は「黒尾配水管移設工事」の名称で今年5月に入札公告されたが、「設計内容に誤りがあった」との理由で入札中止となった経緯がある。市は今月20日、工事名を再び変更して入札を公告。工期は来年1月末に設定され、当初の工期から2か月遅れとなった。
一方、契約解除された業者は取材に対し、「こちらには何の落ち度もないのに一方的に契約を解除され、納得できない。すでに発注した部材の費用、本来なら得られた利益も逸失することになり、これらの損害を賠償してほしい」と訴えている。
市は「関係する皆様にご迷惑をお掛けしたことについて、心からおわび申し上げます。今後は業務の適正な執行に向け、再発防止の取組を徹底してまいります」とし、業者への損害賠償額は「業者から申し出があった損害額を精査した上で妥当な額を賠償することになる」(同課)としている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2024年8月24日号(2564号) 1面 (6,142,600byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
勤務中に同僚に暴力 60代男性看護師を減給の懲戒処分 【修正あり】 青年海外協力隊でモザンビークへ 尾崎小教諭の安則栄美さん [ 社会 ] 2024年08月03日市民病院の経営目標達成困難か 止まらない患者減 [ 社会 ] 2024年07月27日甘い話は、よく確かめて! 「お金を振り込まサンド」 [ 社会 ] 2024年07月26日「害虫を正しく怖がって」アース製薬研究員が講演 [ 社会 ] 2024年07月26日《市民病院医療事故多発》執刀医と科長を業務上過失傷害容疑で書類送検 2件目 街のバリアフリー 学生らが実地検証 [ 社会 ] 2024年07月20日消防操法大会 第6分団が西播大会V [ 社会 ] 2024年07月19日「丁寧な説明あったほうがよかった」牟礼市長が知事対応に苦言 「ルール守って楽しい夏休みに」ヒーロー寸劇で防犯啓発 水道水のPFAS検査 市内すべての水源地に拡充 [ 社会 ] 2024年07月13日海水浴場 15日から丸山と唐船でオープン [ 社会 ] 2024年07月07日「アース坂越の森」 環境省の自然共生サイト認定 [ 社会 ] 2024年07月06日高校生向け工場見学バスツアー 参加者募集 赤穂市民病院 入院病棟に無料Wi―Fi整備へ [ 社会 ] 2024年06月29日
コメント
赤穂市上下水道事業在り方検討委員会の答申を読ませてもらったが、その中で長々と論じているのはいかに使用者からの水道料金及び下水道使用料で事業運営に必要な費用を賄う「独立採算性」が原則だが、両事業ともに経費回収率が100%に達していない。今後は、人口減少の進行等、 有収水量のさらなる減少が見込まれるため、上下水道事業の経営は一層厳しさを増すものと思われる。このようなことは「高齢少子化」の時代を迎えることはとうの昔にわかっていたことであり、それらを真剣に検討しなかった関係者の無知によるものと断言せざるをえない。これらのことから関係者は懲戒免職に処せされるべきであると考える。公僕とは何か、自分たちはどういう位置に置かれているのかすらわからないような無知の公僕に私たちが支払う血税を給料として支払われるべきではない。即、懲戒免職に処せられることを求める。
29 13
投稿:ちばけるな1 2024年08月30日37 7
投稿:ご意見 2024年08月25日コメントを書く