郷土の愛着込めた切り絵集
2008年01月19日
発刊した切り絵集を手に坂越への思い入れを語る佐方直陽さん。後ろにあるのが作品例
佐方さんが切り絵制作を始めたのは定年を間近に控えたころ。姫路で切り絵展を見たのがきっかけだった。最初は「一度やってみようか」と気軽な気持ちだったが、やっていくうちに魅力にとりつかれ、いつしかライフワークになった。
赤穂城、旅先の風景などこれまでに手がけた作品は大小合わせて約200点を数えるが、その大半を占めるのは「愛する坂越の風景」。町並み、港、寺社、祭りなど興味を持った対象に何度も足を運んでじっくり観察し、「最も絵になる」構図をカメラで撮影する。拡大コピーした写真を下絵に「できるだけ細かく、詳しく、緻密に」カッターナイフで黒紙を切り出し、水彩絵の具で着色したオリジナルの色紙を裏からあてて完成。色彩豊かな作品はモノトーンが多い切り絵の枠を超えた美しさがある。これらの制作技法はすべて人から教わったものではなく、自分で工夫した。
生まれは鳥取県。地元の国立大を卒業して教員を志望し、「水泳の指導ができることを買われて」坂越小に赴任してから50年が過ぎた。「歴史と自然が豊かなまち」への愛着は年々深まり、切り絵の構図を探すうちに今では人一倍強くなった。
作品集の題名には「気高いまでに立派な風景と気品あふれる町並みを誇る坂越には『うるわしき』がより適切」との思いを込めた。古い作品には現存しない建造物が往時の姿をとどめているものもあり、移り変わりゆく郷土の記録史料としての側面も備えている。
「まちが新しく便利になるのはうれしい反面、堪え難いさびしさも感じる」と佐方さん。「せめて切り絵の中に古き良き坂越を残したい。作品を見た人にこのまちのすばらしさが伝われば」と話している。
350部発行。希望者には坂越まち並み館(Tel48・7770)で1部2500円で頒布している。また、発刊を記念して同館で2月4日(月)まで作品展を開催している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年1月19日(1775号) 1面 (6,705,997byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
平松国秀さん写真展「光あふれて」 [ 文化・歴史 ] 2020年07月07日生誕135年 竹久夢二 抒情的世界 [ 文化・歴史 ] 2020年07月03日「観月の夕べ」コロナ防止で今年は中止 「ウェルカムAKO」第2弾は7月1日から 郷土の誇り 軽快にダンスで表現 今年の義士祭「例年通りの規模困難」 市独自の中小企業給付金 6月30日から受付 赤穂浪士「助命か厳罰か」中学歴史で討論 新田に赤穂緞通のギャラリー工房 [ 文化・歴史 ] 2020年06月19日ふれあい囲碁 市民限定で4か月ぶり開催 [ 文化・歴史 ] 2020年06月15日赤穂市がパート事務補助員を募集 [ お知らせ ] 2020年06月12日「飲食店テイクアウト利用に関するアンケート」プレゼント当選者 [ お知らせ ] 2020年06月12日コロナ影響で市美術展中止 赤穂民報主催・第33回習字紙上展の作品募集 レナウンの基礎築いた尾上設蔵
コメントを書く