38年続いた立ち番 少子化でピリオド
2017年03月18日
吉栖清美さん(右)や大人に見守られ、国道交差点を渡る子どもたち
3学期の終業式がある24日が最後の活動日。開始当初から毎日活動に参加した吉栖清美さん(77)は「38年間、誰一人交通事故に遭わなかったのが何より」と無事故を喜びつつ、子どもの減少をさみしく感じてもいる。
赤穂西小学校まで電車通学する同地区の大部分は駅から国道250号をはさんで北側にあり、乗車駅の備前福河駅に行くには国道交差点を横断しなければならない。その交差点は過去に3件の死亡事故が発生するなど事故が多く、同校が開校した昭和53年の2学期から保護者の輪番による立ち番が続いてきた。
吉栖さんは保護者としての当番が終わった後も、「毎朝、子どもの顔を見るのが楽しみ」と引き続き参加。12年前からは「地域ふれあいの会」の会員にもなり、ボランティアで安全を見守ってきた。
毎朝7時20分ごろ、自宅から約80メートル先の「福浦橋」交差点へ。黄色いジャンパー姿で警棒を持ち、当番の保護者に付き添われてやって来る子どもたちを待つ。児童らが交差点を渡った後も電車が駅を発車するまでは、その場を離れない。「たまに忘れ物を取りに帰る子がおるからね。そんなときが一番危ないから」。
記録によると、同地区の児童数は昭和55年の70人をピークに徐々に減少し、今年度は6人。そのうち今春で3人が卒業、2人が転校する。残る一人は国道よりも南に家があるため、国道を渡って登校する児童は4月からはいなくなる。
子と孫の計7人を見守ってもらったという香山久香さん(73)は「立ち番のおかげで安心して子どもを送り出すことができました」と話し、目木達也校長も「長い間、子どもたちを見守ってくださり、頭が下がります」と感謝を表した。
「昔は子どもだけじゃなく、高校生や会社勤めの人も多くてね。大勢この交差点を通ったもんです」と、かつてのにぎやかな朝の風景を懐かしむ吉栖さん。国道より北側の子どもで小学校に進学するのは数年先といい、吉栖さんは「そのときに、また立ち番できるくらい元気でおりたいね」と笑顔で話した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2017年3月18日(2224号) 1面 (13,203,259byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
絵マップコン記念誌 20年の記録と記憶一冊に 城南緑地のコクチョウ死ぬ [ 街ネタ ] 2024年05月17日「基礎を大切に」バレーボールクリニック 能登地震被災地へボランティア募集 一本のハナミズキに赤と白の花 [ 街ネタ ] 2024年04月27日赤穂民報主催・第41回習字紙上展の出品規定 新小1年生にランドセルカバー寄贈 交通安全協会 「桜でいっぱいの山に」宝珠山で植樹活動 「見た目にだまされないで」創作パンで詐欺防止PR [ 街ネタ ] 2024年03月09日「消し忘れに注意!」学童防火ポスター展 [ 子供 ] 2024年03月05日患者と家族の拠り所 月例の「がんサロン赤穂」 寸劇やクイズで学びの成果を発表 [ 子供 ] 2024年02月26日「100%の演技のため120%の準備」市児童合唱団の定演 来月3日 大規模災害想定しボランティアセンター開設訓練 綿栽培通して「人間サイズのまちづくり」兵庫県から奨励賞
コメントを書く