駅3セク賠償 元社長遺族が相続放棄
2017年06月10日
赤穂市の第3セクター「赤穂駅周辺整備事業」の旧経営陣に経営破綻の責任を認めた最高裁判決を受け、元社長の北爪照夫氏=昨年10月死去=と元役員が約1億3000万円を同社に分割で支払っている損害賠償について、北爪氏の遺族が債務を相続放棄していたことがわかった。
同社によると、相続放棄は今年3月23日付けで通知があった。これにより、北爪氏の債務を相続する人はなくなり、同氏が死去した以降の債務者は元役員だけとなる。
賠償金の支払いは、判決後に同社が北爪氏らと締結した「合意書」に基づいて平成21年7月から始まり、関係者の話では、一時金3400万円を含めて今年3月末までに約4000万円が支払われた。2人の負担割合は明らかになっていないが、24年1月までは毎月一人4万円ずつを支払い、その翌月からは北爪氏が4万円、元役員は3万円を賠償していたとみられる。
判決は、2人に連帯して賠償することを命じているため、北爪氏とその遺族が債務を負わなくなったとしても、「賠償すべき全体の額は変わらない」(同社)という。しかし、支払い方法は合意書に基づくため、元役員が月々賠償する額は現状の月3万円から「増えることはない」という。
判決は元本の残額に年5分の金利を加算して支払うように命じており、赤穂市市長公室によると、今年3月末時点の金利加算分を含めた債務総額は約1億5000万円にふくらんでいる。合意書の内容は元々、「賠償金の大半を事実上放棄するもの」と批判があったが、今回の相続放棄によって全額回収はさらに困難になったといえる。
経営不振で債務超過に陥った同社は平成15年に民事再生を申し立て、金融機関と損失補償契約を結んでいた赤穂市は税金で27億3000万円を補填した。同社は17年に北爪氏ら元取締役の2人に損害賠償を求めて提訴。「取締役としての注意義務、忠実義務を怠った」などと経営責任を認める判決が20年に最高裁で確定した。
掲載紙面(PDF):
2017年6月10日(2234号) 1面 (5,901,153byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
同社によると、相続放棄は今年3月23日付けで通知があった。これにより、北爪氏の債務を相続する人はなくなり、同氏が死去した以降の債務者は元役員だけとなる。
賠償金の支払いは、判決後に同社が北爪氏らと締結した「合意書」に基づいて平成21年7月から始まり、関係者の話では、一時金3400万円を含めて今年3月末までに約4000万円が支払われた。2人の負担割合は明らかになっていないが、24年1月までは毎月一人4万円ずつを支払い、その翌月からは北爪氏が4万円、元役員は3万円を賠償していたとみられる。
判決は、2人に連帯して賠償することを命じているため、北爪氏とその遺族が債務を負わなくなったとしても、「賠償すべき全体の額は変わらない」(同社)という。しかし、支払い方法は合意書に基づくため、元役員が月々賠償する額は現状の月3万円から「増えることはない」という。
判決は元本の残額に年5分の金利を加算して支払うように命じており、赤穂市市長公室によると、今年3月末時点の金利加算分を含めた債務総額は約1億5000万円にふくらんでいる。合意書の内容は元々、「賠償金の大半を事実上放棄するもの」と批判があったが、今回の相続放棄によって全額回収はさらに困難になったといえる。
経営不振で債務超過に陥った同社は平成15年に民事再生を申し立て、金融機関と損失補償契約を結んでいた赤穂市は税金で27億3000万円を補填した。同社は17年に北爪氏ら元取締役の2人に損害賠償を求めて提訴。「取締役としての注意義務、忠実義務を怠った」などと経営責任を認める判決が20年に最高裁で確定した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2017年6月10日(2234号) 1面 (5,901,153byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
弁護士が語る「産廃の危険性と市民運動」 インフル学級閉鎖 昨年度上回るペース 赤穂市と赤穂高校が連携協定 [ 社会 ] 2018年01月31日有年地域の給水拠点「播磨台配水池」竣工 [ 社会 ] 2018年01月30日署員ら術科始め式で気合い [ 社会 ] 2018年01月29日職人から教わる庭木の手入れ [ 社会 ] 2018年01月29日《御崎メガソーラー問題》2月初旬に工程表 [ 社会 ] 2018年01月27日文化財防火デーに消防訓練 [ 社会 ] 2018年01月26日「助け合いの大切さ伝えたい」高校生が事例発表 [ 社会 ] 2018年01月20日「社協だより」広報紙コンで優良賞 [ 社会 ] 2018年01月19日インフルエンザで学級閉鎖 今年度初 「お試し暮らし」体験して2組移住 [ 社会 ] 2018年01月13日《福浦産廃》4年越しに回答書「焼却灰に限定」 [ 社会 ] 2018年01月13日県下市議会で唯一「君が代」斉唱 [ 社会 ] 2018年01月11日「人から応援される存在に」新成人が抱負 [ 社会 ] 2018年01月07日
コメントを書く