「手話は言語」市条例が可決
2018年03月19日
手話言語条例の制定を祝う関係者
手話を「言語」と位置付け、理解と普及を進めるための行政の責務や市民、事業者の役割を明文化。市は条例施行に伴い、来月1日に手話通訳士1人を正規職員として採用する。
条例は基本理念に「全ての市民は手話によるコミュニケーションを円滑に図る権利を有し、その権利は尊重される」と掲げた上で、ろう者が円滑に生活できるために必要な配慮や施策の推進を市の責務とする。市民と事業者には、市施策への協力に努めることを求め、さらに事業者には、ろう者が利用しやすいサービスの提供や働きやすい環境の整備に努めるよう定めた。
条例制定を受けて、市は今後、手話に関する研修や講座をより活発に開き、市の出前講座「早かごセミナー」にも手話啓発のプログラムを導入する。また、手話を普及させるためのパンフレット作成や市ホームページでの手話による動画発信なども検討していく。
条例の名称は、制定へ向けた意見交換会で、ろう者から提案があったアイデアが採用された。「和」は思いやりややさしさを意味し、手話やろう者への理解を通じて思いやりの輪を広げ、「全ての市民が尊重し合えるやさしい共生社会」を目指す願いを込めた。
市のまとめでは、聴覚障害で身体障害者手帳を所持している市民は162人(昨年3月末時点)。聴覚障害者の話によると、聞こえる人が多数の世界で、「聞こえる人の言語や文化にあわせて生きている」のが現状で、例えば、職場では聞こえる人ばかりの中、コミュニケーションがうまくとれず自分の仕事だけを黙々としている人も多いという。
この日は手話を利用する市民や関係者が市庁舎に集まり、条例制定の喜びを分かち合った。聴覚障害者の一人として意見交換会にも参加した尾崎の中村千穂さん(52)は「私たち、ろう者にとって母語(第一言語)である手話が言語として認められ、感謝と喜びで一杯です」と喜び、「条例をきっかけに手話を学ぶ機会が増える。公共機関などで手話通訳ができる職員や遠隔手話通訳システムの配置にもつながってほしい」と期待した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年3月24日(2271号) 1面 (3,904,966byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 政治 ]
今年の義士祭「例年通りの規模困難」 市独自の中小企業給付金 6月30日から受付 新型コロナ緊急対策 第3弾を発表 [ 政治 ] 2020年06月22日事業進捗「87・7点」市が自己評価 [ 政治 ] 2020年06月20日6月議会一般質問 コロナ関連に集中 [ 政治 ] 2020年06月18日《西有年産廃》「処分場建設反対」意見書議決へ [ 政治 ] 2020年06月18日県が高潮対策10年計画 赤穂市内は3か所 売上減の中小事業者に給付金10万円、家賃補助5万円 9割が「定住希望」も将来は悲観 新型コロナ追加支援策 6月議会に上程へ 商工業者中心に追加支援求める声【一部既報】 補正予算案可決 早くも迫られる追加策 水道代4か月分無料、特別職賞与半減 市が補正予算案【追記あり】 [ 政治 ] 2020年05月15日市議会が今夏の賞与2割減方針 市議会 今年度の行政視察を取り止め [ 政治 ] 2020年05月08日
コメントを書く