関福大リレーコラム・運動は薬である
2018年07月07日
「運動は薬である」。
この言葉は2007年にアメリカスポーツ医学会とアメリカ医師会により提唱されたキャッチフレーズです。これまで行われた数多くの研究報告により、運動が薬と同じように、肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症をはじめとする数多くの病気の予防や改善に役立つということが明らかにされてきたからです。
例えば、ウオーキングや水泳運動のように軽い運動を長期間行うと、脂質や糖質の利用を高め、肥満、高脂血症、糖尿病などのメタボリックシンドロームに関係する病気の予防や改善につながることが知られています。ダンベルやバーベルなど重いおもりを持ち上げるような運動では、老化や運動不足による筋肉や骨の減少を防ぐことができ、そのことにより転倒や骨折の可能性を低く保つことができます。また、手術をした後も、医師から「できるだけ動きなさい」と言われる場合が多く、それは運動が術後の回復に役立っているためと考えられます。
しかし、運動は薬のように短期間でその効果が得られるというものではありません。半年や1年といった長期間継続することによりその効果が現れ、場合によっては一生続ける必要があるかもしれません。また、薬は用法・用量を間違うと治療効果が得られなかったり、症状を悪化させることがありますが、運動も実施する運動の種類、強度、持続時間、頻度などを間違うと効果が得られなかったりケガをしたりすることがあるので注意が必要です。特に日本人はこうと決めたら頑張る人が多く、腰や膝を痛めて運動を中断しなければならなくなったという話はよく聞きます。 薬では「処方箋」という言葉がありますが、運動の場合「運動処方」と言います。正しく運動するためには、医師あるいは理学療法士や健康運動指導士など資格をもった人に相談し、それぞれの目的にあった「運動処方」を作ってもらうことをお勧めします。
適正な運動を実施し、健康で長生きのできる生活を目指して下さい。(教育学部保健教育学科・中谷昭教授)
* * *
次回は教育学部保健教育学科の池永理恵子教授です。お楽しみに!
掲載紙面(PDF):
2018年7月7日(2284号) 3面 (12,781,991byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
この言葉は2007年にアメリカスポーツ医学会とアメリカ医師会により提唱されたキャッチフレーズです。これまで行われた数多くの研究報告により、運動が薬と同じように、肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症をはじめとする数多くの病気の予防や改善に役立つということが明らかにされてきたからです。
例えば、ウオーキングや水泳運動のように軽い運動を長期間行うと、脂質や糖質の利用を高め、肥満、高脂血症、糖尿病などのメタボリックシンドロームに関係する病気の予防や改善につながることが知られています。ダンベルやバーベルなど重いおもりを持ち上げるような運動では、老化や運動不足による筋肉や骨の減少を防ぐことができ、そのことにより転倒や骨折の可能性を低く保つことができます。また、手術をした後も、医師から「できるだけ動きなさい」と言われる場合が多く、それは運動が術後の回復に役立っているためと考えられます。
しかし、運動は薬のように短期間でその効果が得られるというものではありません。半年や1年といった長期間継続することによりその効果が現れ、場合によっては一生続ける必要があるかもしれません。また、薬は用法・用量を間違うと治療効果が得られなかったり、症状を悪化させることがありますが、運動も実施する運動の種類、強度、持続時間、頻度などを間違うと効果が得られなかったりケガをしたりすることがあるので注意が必要です。特に日本人はこうと決めたら頑張る人が多く、腰や膝を痛めて運動を中断しなければならなくなったという話はよく聞きます。 薬では「処方箋」という言葉がありますが、運動の場合「運動処方」と言います。正しく運動するためには、医師あるいは理学療法士や健康運動指導士など資格をもった人に相談し、それぞれの目的にあった「運動処方」を作ってもらうことをお勧めします。
適正な運動を実施し、健康で長生きのできる生活を目指して下さい。(教育学部保健教育学科・中谷昭教授)
* * *
次回は教育学部保健教育学科の池永理恵子教授です。お楽しみに!
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年7月7日(2284号) 3面 (12,781,991byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関西福祉大学リレーコラム・今年のうちにやっておくこと 2016年12月22日関西福祉大学リレーコラム・学びについて考える(4)子どもが育つ言葉かけ 2016年11月19日関西福祉大学リレーコラム・学びについて考える(3)子どもが育つ環境 2016年11月12日関西福祉大学リレーコラム・学びについて考える(2)考える力 2016年10月29日関西福祉大学リレーコラム・学びについて考える(1)勉強から学習へ 2016年10月08日関西福祉大学リレーコラム・「心の専門家」は、子どものまわりにいる大人がいちばん! 2016年10月01日関西福祉大学リレーコラム・世界に対する基本的な信頼感 2016年09月10日関西福祉大学リレーコラム・高校野球と「共感」 2016年08月27日関西福祉大学リレーコラム・子どもが大人を「受容」するということ 2016年08月13日関西福祉大学リレーコラム・受容と双方向性 2016年07月30日関西福祉大学リレーコラム・「ケア」の精神 2016年07月09日関西福祉大学リレーコラム・やさしいことばは、やさしい心になる魔法の近道 2016年07月02日関西福祉大学リレーコラム・健康を守る(5) 2016年06月25日関西福祉大学リレーコラム・健康を守る(3) 2016年05月14日関西福祉大学リレーコラム・健康を守る(2) 2016年04月29日
コメントを書く