歴代藩主らの具足 細密に描写
2018年10月13日
甲冑や陣羽織などが細密に描かれている「森家具足図貼交屏風」
文政12年(1829)に当時の藩士が実物を見て描いたもので兜や胴、小手などの形や色を細密に表現。来月から同館で開かれる第4回新収蔵資料展で一般初公開される。
森家は織田信長の家臣だった森可成を中興の祖とし、津山、西江原を経て宝永3年(1706)に赤穂へ転封。明治4年(1871)の廃藩置県まで12代165年にわたって赤穂を治めた。
屏風は縦約1・7メートル、横約3・8メートルが対になった六曲一双で、具足を描いた和紙48枚(うち1枚は具足図を描く経緯を記した文章)を右隻と左隻に半分ずつ貼り交ぜている。元は画帳か未表装だったものを後世に屏風に仕立てたものとみられ、市外の美術品収集家が平成26年に同館へ寄託した。
文章は流麗な筆致で「このたび仰せを受けて御家に代々伝わる御具足・御武器類を拝見いたし、拙き筆ではありますが絵にしてみました」などとあり、落款から作者は赤穂藩士の「鯰江高鳳」とわかる。
兜の絵には「可成(森家中興の祖)」「長直(赤穂藩初代)」「忠政(津山藩初代)」など所用者の名前が書かれており、采配や馬具などもある。一部の具足は森家7代の武将を祭る赤穂大石神社の宝物殿に現存しており、実物を忠実に描いていることがうかがえる。
同博物館の木曽こころ学芸員は「保存状態が良好で、当時の最高技術を結集したであろう具足の形や色彩の美しさがよくわかる。赤穂を長く治めた森家について関心を持ってもらえるきっかけにもなれば」と話している。
新収蔵資料展は11月10日(土)から来年1月15日(火)まで。水曜休館。入館料200円(小・中学生100円)。TEL43・4600。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年10月13日(2296号) 1面 (9,618,158byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
万博会場にアートマイル壁画 会期中に計158か国展示 「赤穂緞通を伝承する会」3人が講習修了 [ 文化・歴史 ] 2025年04月12日
日本遺産写真展 塩屋の矢野博之さん「生島の夕暮れ」が最優秀賞 [ 文化・歴史 ] 2025年04月01日
復元塩田で昔の塩づくりを体験 [ 文化・歴史 ] 2025年03月21日
雨聲会展 故室井澄氏の遺作も展示 [ 文化・歴史 ] 2025年03月18日「音の風景」テーマに趣味のボールペン画展 [ 文化・歴史 ] 2025年03月16日
赤穂緞通織り続けて34年 ベテラン作家が初個展 [ 文化・歴史 ] 2025年03月15日
西国街道で歴史ウオーク 「西の箱根」歩く [ 文化・歴史 ] 2025年03月10日
「坂道」テーマに作品展 メイプル写友会 [ 文化・歴史 ] 2025年03月10日
赤穂城跡の魅力満載 デジタルミュージアム 21日から公開 [ 文化・歴史 ] 2025年03月08日
姫路市美術展 妹岡実さんが写真で奨励賞 [ 文化・歴史 ] 2025年03月04日終戦80年 児童合唱団がオペレッタ「琉球讃歌」 女性たちによる絵画展「女・女・女展」 [ 文化・歴史 ] 2025年02月20日三世紀半続く獅子舞伝承 保存会に「ともしびの賞」 [ 文化・歴史 ] 2025年02月15日
ジャンル超えて美術家連合会展 [ 文化・歴史 ] 2025年02月14日
コメントを書く