山鹿素行のお話(1)赤穂城本丸手前の素行先生銅像
2019年07月06日
皆さんは山鹿素行(やまが・そこう)というお方をご存知ですか。
おそらく高齢者の方なら忠臣蔵の討ち入りで打ち鳴らした山鹿流陣太鼓の生みの親かなという認識はあるでしょう。しかしながら、時代劇のブームも去り忠臣蔵の映画も昔ほど頻繁に上映されることがなくなった今、若い世代の人には全くと言うほど忘れ去られたお名前ではないでしょうか。
今年5月、「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」が日本遺産に認定されました。塩の生産が赤穂で大々的に発展する事になったのは浅野長直・長友・長矩らが三代に渡って西浜、東浜の塩田を整備した功績が大きいのですが、彼ら三公を教導したのが山鹿素行なのです。
特に浅野長直は、江戸において山鹿素行の才能を早くから認め、素行が幕府直属の仕官を諦めたと知るや、承応元年(1652年)赤穂藩で学問を教えてくれるよう求め、素行もこれに応じ、その後の奇想天外なドラマに発展したのです。忠臣蔵にまで繋がるその壮大な物語をこれから、このコラムで連載しますのでどうぞご期待下さい。
そこで第1回目として、彼の足跡を知るわずかな手がかりを紹介します。それは、赤穂城本丸門の手前左側の倉庫(元塩業資料館)の横に鎮座している銅像です。この銅像は、元々は今の場所の反対側の二の丸庭園の入り口近くにあったのですが、昭和46年に赤穂城が国の史跡認定となり移転したものです。
元あった銅像は大正14年、地元上仮屋はじめ赤穂の篤志家達の手によって建立され、一辺30メートル四方の生垣に囲まれた中に皇居の方角を向いて厳かに佇む堂々としたものでした。
この山鹿素行の銅像は全国に一つしかない貴重な物で、その碑文は当時東京素行会本部会長で伯爵の松浦厚氏作によるものです。旧制赤穂中学校(赤穂高校)の生徒らは、登下校の際には敬礼をして通学していたとの話をよく聞きます。
また、歴史資料館にも山鹿素行を紹介するパネルが展示されていますので是非ご覧になってはいかがでしょうか。
なお、当会では山鹿素行に関する資料や銅像の古写真などを探しています。お持ちの方は是非ご連絡下さい。TEL090・1445・5186(東條)。(山鹿素行研究会・東條正輝)
* * *
〔おことわり〕
当初、記事に記載されていた電話番号に誤りがありました。正しくはTEL090・1445・5186(東條)です。
掲載紙面(PDF):
2019年7月6日号(2331号) 1面 (10,906,640byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
おそらく高齢者の方なら忠臣蔵の討ち入りで打ち鳴らした山鹿流陣太鼓の生みの親かなという認識はあるでしょう。しかしながら、時代劇のブームも去り忠臣蔵の映画も昔ほど頻繁に上映されることがなくなった今、若い世代の人には全くと言うほど忘れ去られたお名前ではないでしょうか。
今年5月、「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」が日本遺産に認定されました。塩の生産が赤穂で大々的に発展する事になったのは浅野長直・長友・長矩らが三代に渡って西浜、東浜の塩田を整備した功績が大きいのですが、彼ら三公を教導したのが山鹿素行なのです。
特に浅野長直は、江戸において山鹿素行の才能を早くから認め、素行が幕府直属の仕官を諦めたと知るや、承応元年(1652年)赤穂藩で学問を教えてくれるよう求め、素行もこれに応じ、その後の奇想天外なドラマに発展したのです。忠臣蔵にまで繋がるその壮大な物語をこれから、このコラムで連載しますのでどうぞご期待下さい。
そこで第1回目として、彼の足跡を知るわずかな手がかりを紹介します。それは、赤穂城本丸門の手前左側の倉庫(元塩業資料館)の横に鎮座している銅像です。この銅像は、元々は今の場所の反対側の二の丸庭園の入り口近くにあったのですが、昭和46年に赤穂城が国の史跡認定となり移転したものです。
元あった銅像は大正14年、地元上仮屋はじめ赤穂の篤志家達の手によって建立され、一辺30メートル四方の生垣に囲まれた中に皇居の方角を向いて厳かに佇む堂々としたものでした。
この山鹿素行の銅像は全国に一つしかない貴重な物で、その碑文は当時東京素行会本部会長で伯爵の松浦厚氏作によるものです。旧制赤穂中学校(赤穂高校)の生徒らは、登下校の際には敬礼をして通学していたとの話をよく聞きます。
また、歴史資料館にも山鹿素行を紹介するパネルが展示されていますので是非ご覧になってはいかがでしょうか。
なお、当会では山鹿素行に関する資料や銅像の古写真などを探しています。お持ちの方は是非ご連絡下さい。TEL090・1445・5186(東條)。(山鹿素行研究会・東條正輝)
* * *
〔おことわり〕
当初、記事に記載されていた電話番号に誤りがありました。正しくはTEL090・1445・5186(東條)です。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年7月6日号(2331号) 1面 (10,906,640byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
赤穂玩具博物館 20周年記念で出前紙芝居 高瀬舟で写真展「坂越の祭り」 [ 文化・歴史 ] 2024年10月05日赤穂市内の秋祭り2024 主な日程 国立文楽劇場40周年で「仮名手本忠臣蔵」通し上演 12月1日に全国6会場で忠臣蔵検定 90点以上「博士」認定 高校生が自作のドレスでショー開催へ 三木露風と交流あった赤穂生まれの俳優 [ 文化・歴史 ] 2024年08月15日赤穂市美術展 7部門で作品募集 市民合唱団の定期演奏会 11日にハーモニーH 第41回赤穂民報習字紙上展の入賞者 生活の中にある美術 89歳男性がアートギャラリー 5年ぶりに合同合唱も「フェスタ・アルモニカ」 [ 文化・歴史 ] 2024年07月28日世界最大級のレプリカも「三葉虫化石展」 [ 文化・歴史 ] 2024年07月28日愛着ある故郷描く 米寿の水彩画展 [ 文化・歴史 ] 2024年07月20日土器に見る「炊飯の歴史」 有年考古館で企画展 [ 文化・歴史 ] 2024年07月20日
コメントを書く