「買い物弱者」に救い 移動スーパー開業へ
2019年11月23日
買い物弱者支援で運行をスタートする移動販売車
全国で移動スーパーを展開している「とくし丸」(徳島市)と事業提携。陳列棚や冷蔵ケースを備えた特別仕様の軽トラックに野菜や精肉、調味料のほか刺身、弁当など約300品目を載せ、事前に希望のあった世帯の付近で店開き。店での通常価格に10円上乗せすることで経費をまかなう。開業に伴い、赤穂市と民間事業者が協定を結ぶ「高齢者見守りネット」に加盟。訪問販売時の声掛けをお年寄りの見守りにも役立てる。
▽月木コース(福浦南部、鷏和、折方、上仮屋)▽火金コース(高雄、木津、駅北)▽水土コース(福浦北部、大津、塩屋)の3ルートで週2日ずつ運行する。顧客のニーズに合わせて積み込む商品を入れ替え、予約注文にも応じる。すでに約120世帯から利用希望があり、キャンセル待ちの状態。来年2月上旬には2号車を導入し、尾崎、御崎、坂越、有年地区などにもルートを拡充する予定だ。
販売を担当する黒田元幸さん(48)=塩屋=が営業開始を前に訪問先をあいさつ回りすると、「はよ来て」「待っとうよ」などと声を掛けられたという。「中には『ありがとう』と涙ぐむお年寄りもあって。本当に買い物に困っておられたのだなと実感しましたし、期待をひしひしと感じました」と話す。
農林水産政策研究所の2015年推計では、食料品アクセス困難人口(店舗まで500メートル以上かつ自動車利用困難な65歳以上)は全国で824万人に上る。磯野幸則社長(51)は「大きな社会問題に何らかの貢献ができないかと以前から考えていた。困っている方に商品を届けられることに大きなやりがいを感じている」と意欲を語っている。
問い合わせは同店Tel42・0503。
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2019年11月23日号(2348号) 1面 (10,883,156byte)
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