赤穂にも追い風 時代小説『北前船用心棒』
2020年03月02日
北前船や赤穂塩、元禄赤穂事件を物語に織り込んで展開する時代小説『北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参』
第9回日経小説大賞を受賞し、現在日本経済新聞朝刊で小説『太陽の門』を連載中の赤神諒氏が書き下ろし。生類憐れみの令を逆手にとって犬を武器に戦う「犬侍」たちがいたとの設定のもと、北前船の用心棒に雇われた犬侍・千日前伊十郎を主人公に波瀾万丈のストーリーを描く。
赤神氏にとって文庫書き下ろし時代小説は初めて。「いろいろな舞台を登場させたい」との思いから、各地の津々浦々に寄港する北前船をモチーフに選んだという。「武士」「元禄時代」をキーワードに作品の骨格を固める中で、「元禄といえば赤穂義士」と着想。実際に赤穂を訪れ、構想を広げた。
将軍家の後継争い、主君の無念を晴らそうとする赤穂藩士たちの戦いが絡みつつ、寄港地を経由する謎の北前船とともに舞台を変えていくストーリーは長期シリーズ化の可能性も十分。その皮切りとなる「赤穂ノ湊」には大石内蔵助、大野九郎兵衛や堀部安兵衛、寺坂吉右衛門らが主要人物として描かれ、「坂越」や「大避神社」など実在の地名や史跡も登場する。赤神氏は「赤穂義士は物語の最終盤まで登場することになる」と予告している。
近年は小説や漫画などに登場する土地を観光する「聖地巡礼」が話題になることも多い。日本遺産に認定された「北前船寄港地」と「塩」で観光振興を目指す赤穂市にとって、この作品は追い風。赤神氏も「北前船の魅力を世に広く発信し、地方活性化につなげていく、ささやかな一助となれば」と話している。
小学館文庫から文庫版352ページ。700円+税。全国の書店で予約を受け付けている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年3月7日号(2362号) 4面 (7,494,482byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
ヨモギ寄生のハマウツボ 標本化に成功初か [ 社会 ] 2018年08月22日車椅子降りて海へ 障害児がシュノーケル [ 社会 ] 2018年08月21日赤穂城跡に野生のシカ 逃走して山へ [ 社会 ] 2018年08月18日キャンプでタイムカプセル 10年ぶり再会 [ 社会 ] 2018年08月13日産廃処分場計画地を市議団が現地確認 [ 社会 ] 2018年08月12日「サムライの聖地」PRで観光甲子園 [ 社会 ] 2018年08月11日中絶処置めぐる訴訟 最高裁が上告不受理 [ 社会 ] 2018年08月10日「産廃処分場建設反対」署名数5年前超える [ 社会 ] 2018年08月06日みんなで一緒に願い事 [ 社会 ] 2018年08月06日「忠臣蔵」新作映画化へ推進委 [ 社会 ] 2018年08月03日キッズ保安官が安全運転PR [ 社会 ] 2018年07月30日「避難準備・高齢者等避難開始」を解除 [ 社会 ] 2018年07月29日唐船サンビーチでぬかるみ再発 [ 社会 ] 2018年07月26日英大学生が緞通工房など見学 [ 社会 ] 2018年07月25日関西福祉大と赤穂高が協定締結へ [ 社会 ] 2018年07月24日
コメントを書く