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美咲のきょうも笑顔!(4)モンゴルの「おもてなし」

 2020年06月13日 
旧正月(ツァガーンサル)の様子
 サインバイノー(モンゴル語でこんにちは)。
 モンゴルでは長く寒い冬がようやく終わりを告げ、緑豊かな夏を迎えようとしています。
 さて、今回はモンゴル文化について触れたいと思います。
 日本では1月1日に正月を祝う習慣がありますが、モンゴルには旧暦に従って決められる旧正月(ツァガーンサル)があり、日は毎年異なります。ツァガーンサルは、何も悪いものがない「真っ白な月」という意味があるそうで、厳しい冬を乗り越えて春を迎えることを喜び、一年の幸せを祈るお祝いです。
 旧正月で大晦日に当たる日は、ビトゥーンと呼ばれ「閉じる」の意味があります。
 大晦日には小麦粉の皮で羊や牛の肉を包んだ小さい肉まんのような「ボーズ」という食べ物を食べます。
 幸せを包み込むという縁起かつぎから由来していて、旧正月期間中は、朝、昼、晩、全ての食事にボーズが出ます。
 モンゴル人は、この大行事に備え、1か月も前から準備にとりかかり、各家庭で1000〜2000個のボーズを家族総出で作り、作ったものを外で凍らせます。
 ちなみに、ある隊員は、赴任して初めての旧正月前に6時間ほどボーズ作りを手伝うことになったそうです。
 ツァガーンサルの間は、「デール」という民族衣装を着て家族が集まり、知人、友人、親戚の家を何軒もまわり、ご馳走を食べたり、プレゼントの受け渡しをしたりしながら過ごします。
 今年のツァガーンサルは、新型コロナウイルスの影響でお祝いを自粛しなければならず、オンラインで田舎の両親や親戚などと顔を合わせる工夫が行われていました。
 私は昨年、同僚の田舎に行き、ゲル(モンゴルの伝統住居)に泊まらせてもらい、モンゴルの旧正月を体験しました。親戚への挨拶まわりにも同行させてもらいましたが、どの家庭も外国人の私を家族や友人と同じように温かく歓迎してくれ、日本人と初めて会うといった人たちも多く、日本の国について大変興味を持って話を聞いてくれました。そして、たくさんのおもてなし料理を頂きました。
 体験して感じたことは、おもてなし精神は日本だけではなく、モンゴルにも根付いているということです。
 旧正月がある2月はマイナス40°と極寒のモンゴルですが、皆さんにもこんな温かなおもてなしをしてくれる人々がいる国を訪れ、日本では体験できない文化をぜひ経験してほしいと思います。
 * * *
 ▽奥田美咲さん=赤穂市城西町出身。作業療法士としての経験を活かし、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてモンゴルの首都ウランバートルの国立病院で作業療法士の育成に関わっている。任期は2020年秋までで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で現在一時帰国中。
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掲載紙面(PDF):
2020年6月13日(2374号) 2面 (4,244,493byte)
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