討ち入りへの経緯克明 義士自筆の覚書
2020年10月31日
11月1日から赤穂大石神社で公開される奥田孫太夫自筆の「落去留書」
奥田孫太夫(1647―1703)は馬廻、武具奉行の150石。剣術に長け、吉良邸討ち入りには娘婿の奥田貞右衛門とともに参加。細川藩で切腹し、57歳で死去した。
「落去留書」は赤穂開城後、奥田と堀部安兵衛、後に脱盟する高田郡兵衛が大石内蔵助や原惣右衛門との間で取り交わした書状の控えや同志の動向を記したもの。昭和になって所在がわからなくなっていたが、今年2月に発見された。
浅野家再興を優先する大石に対し、江戸急進派の中心だった奥田ら3人が「亡君が命を捨てた相手を見逃しては武士道が立たない」などと早期の討ち入り決行を求めた書状などが記載。堀部が書き残した覚書『堀部武庸筆記』とほぼ同文だが、武庸筆記が討ち入りの年の5月まで記述されているのに対し、その約半年前の元禄14年11月で記録が終わっている。高田が脱盟した時期にあたるとみられ、同神社の佐藤誠・非常勤学芸員(48)は「高田郡兵衛の脱盟が影響しているのではないか」と推測する。
「義士が書き残した貴重な一級史料。江戸と上方、国許との間のやり取りの緊迫感が伝わってくる」と飯尾宮司。義士宝物殿の拝観は午前8時半〜午後5時(最終入館4時半)。入館料450円(中学生以下無料)。Tel42・2054。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年10月31日号(2390号) 1面 (10,103,089byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
まちの魅力をPR 駅ロータリーに看板 [ 文化・歴史 ] 2020年08月13日川柳赤穂吟社の創立世話人 大上三穂子さん死去 今秋のル・ポン音楽祭 コロナで中止 絵本の原画展 5回シリーズで [ 文化・歴史 ] 2020年07月31日地元作家らによる創作うちわと風鈴展 [ 文化・歴史 ] 2020年07月29日平安時代の疫病除けおまじない [ 文化・歴史 ] 2020年07月22日塩屋の屋台行事もコロナで自粛 鉱物と化石 私設資料館23日オープン [ 文化・歴史 ] 2020年07月18日高校生が雅楽演奏を奉納 [ 文化・歴史 ] 2020年07月12日市内秋祭り「中止」決定相次ぐ まちの玄関口に「希望のピアノ」 平松国秀さん写真展「光あふれて」 [ 文化・歴史 ] 2020年07月07日生誕135年 竹久夢二 抒情的世界 [ 文化・歴史 ] 2020年07月03日郷土の誇り 軽快にダンスで表現 今年の義士祭「例年通りの規模困難」
コメントを書く