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住民の手で公園再生 有年はりま台

 2020年11月20日 
住民が協力して花壇などを整備した「はりま台自治会」の東公園
 有年地区の「はりま台自治会」(87世帯)が、30年近く使われず荒れ地になっていた地域の公園の再生に取り組んでいる。廃墟となっていた噴水を解体し、枯死した桜を除去。家庭で育てた花苗や球根を持ち寄って花壇を整備した。「四季の花咲く憩いと和みの場に」と思い描いている。
 住民たちが整備している「はりま台第2児童遊園東公園」(約2400平方メートル)は、民家が建ち並ぶ丘陵地の見晴らしの良い場所にあり、沖田遺跡公園のあるのどかな田園風景が眼下に広がる。住民の話では、平成の初めごろは花見に使うなどしていたが、一帯を宅地開発した業者が倒産した後は荒廃。業者から土地を引き取った市も再整備の予算を確保することは難しく、住民らが年数回の草刈りをする以外は誰も近寄ることがなかった。
 昨春から自治会役員と有志の間で「何でも行政に頼るんじゃなくて、自分たちの手で公園を作り直しては」と話が持ち上がった。市に相談したところ、「自治会で活動してもらえるのなら」と許可を得られた。住民らは話し合いを重ねて青写真を描き、今年4月に整備に着手。枯れた桜約30本を根っこから除去し、大きなスズメバチの巣を退治。噴水跡のコンクリート枠は花壇に、整地時に地中から出て来た庭石はガーデン風のテーブルとベンチに再利用した。公園内の階段には市から提供を受けた中古の手すりを取り付けた。
 今月8日には子どもから高齢者まで約20人が集まり、春に咲くシバザクラや夏に開花するカンナ、グラジオラスなどを花壇に植え、地元企業から無償提供された肥料をまいた。幼稚園児の小林陽菜(ひなた)ちゃん(6)は「お花がいっぱいの公園になったらいいな」と花壇のレンガを一生懸命運び、アジサイを持ち寄った吉田安夫さん(75)は「あの荒れ地が見違えるようになった」と目を丸くした。
 今後も水やりや草抜きなど協力して世話をし、花見会や趣味のミニコンサートを開くアイデアもあるという。望月守代会長(57)は「みんなでつくった公園。お互いの心が通い合う場に」と声を弾ませた。
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掲載紙面(PDF):
2020年11月21日号(2393号) 1面 (9,473,567byte)
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