「昭和まで塩田残ったのは奇跡」日本遺産講演会
2022年02月13日
「赤穂に昭和まで塩田が残ったのは近代化における奇跡」と語った竹村公太郎氏=ライブ配信画面のキャプチャ画像
竹村氏は、河川を流れてきた土砂が堆積した干潟を江戸時代に各地の大名が埋め立て、明治期の重化学工業化で各地に企業城下町が生まれていった日本列島の一般的な地理的変遷を概説した上で、赤穂で水田ではなく塩田開発が進んだ理由を「縄文時代から有年で塩づくりをしていた人たちが干潟開発の中心人物になったからでは」と仮定した。
鉄道網から離れ、大きな船が接岸できる港もなかったことから重化学工業が進出しなかったと指摘し、「江戸時代に作られた塩田が昭和まで残っていたというのは近代化における一つの奇跡。赤穂浪士という英雄の郷を重化学工業でつぶせないというイメージもあったのでは」と自説を述べた。
講演後半では江戸城や関東平野周辺の地形をひもとき、江戸城の表玄関だったとみられる半蔵門前に討ち入り前の赤穂浪士が多数潜伏していたことや、赤穂事件後に浅野長矩の弟長広が江戸周辺の海の要衝といえる安房に所領を与えられている点などに着目。「赤穂浪士の討ち入りは幕府の支援があったから成功したのではないか」と独自の視点から持論を展開した。
講演会は「日本遺産の日」にちなんで開催。日本遺産「『日本第一』の塩を産したまち播州赤穂」の構成文化財として「赤穂八幡宮獅子舞」と「赤穂浜鋤き唄」の実演も披露された。
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