考古学の視点で考える「秦氏」のルーツ
2022年06月04日
赤穂にもゆかりの深い渡来系氏族をテーマに「秦氏魅力向上フェスティバル」(赤穂民報社など後援)の記念講演会が4日、中広の市立図書館であり、秦河勝をまつる坂越・大避神社の生浪島堯宮司などの話を約90人が聴講した。
相生市立歴史民俗資料館文化財専門員の中濱久喜氏は「考古学から見た赤穂郡域の秦氏」と題し、赤穂市から上郡町、相生市の一帯で発掘調査された成果を基に講演した。
中濱氏によると、5世紀には有年原地区を中心に渡来系集団の活発な動きがみられ、一旦活動が低調になった時期を経て6世紀末から新しい集団が移住。蘇我氏らと結びついた最高首長の下、殖産を担い、その後に勢力を伸ばした集団があるという。
中濱氏は「5世紀代の集団が『秦』を名乗っていたかどうかは定かではない。6世紀末から7世紀にかけての古墳の様相からは太秦を拠点とした秦氏との関係性は読み取れない」と慎重な見方を示し、「7世紀後半から8世紀にかけて秦氏が郡域有数の勢力となり、8世紀末から11世紀に塩業や鉱山開発、土地開発で最有力集団としての地位を確立したのではないか」と述べた。
生浪島宮司は「大避神社と秦氏」と題し、航海安全や芸能の神とされる祭神・秦河勝にまつわる伝承を紹介。これまでに日本文化研究の第一人者だった故梅原猛さんなど多くの専門家が研究に訪れ、著名な能楽師や邦楽の演奏家などが参拝したことに触れ、「現場に行くのが一番。ぜひお参りいただきたい」と来社を呼び掛けた。
同フェスは6月12日(日)まで(6日は休館)。会期中は1階ギャラリーで「大避神社由来書」や有年牟礼・山田遺跡で発掘された「秦」の刻字がある須恵器などを展示。千種川流域の秦氏ゆかりの史跡を紹介する写真展、相生市入野の日本画家、船岡美和子さんの作品展「秦河勝と佛たち」も開催中。
5日(日)は午後1時半から「秦氏を学ぶ会」による公開研究発表会。最終日午前11時からギャラリー朗読会がある。
「秦氏魅力向上フェスティバル」の記念講演会で話す中濱久喜氏
相生市立歴史民俗資料館文化財専門員の中濱久喜氏は「考古学から見た赤穂郡域の秦氏」と題し、赤穂市から上郡町、相生市の一帯で発掘調査された成果を基に講演した。
中濱氏によると、5世紀には有年原地区を中心に渡来系集団の活発な動きがみられ、一旦活動が低調になった時期を経て6世紀末から新しい集団が移住。蘇我氏らと結びついた最高首長の下、殖産を担い、その後に勢力を伸ばした集団があるという。
中濱氏は「5世紀代の集団が『秦』を名乗っていたかどうかは定かではない。6世紀末から7世紀にかけての古墳の様相からは太秦を拠点とした秦氏との関係性は読み取れない」と慎重な見方を示し、「7世紀後半から8世紀にかけて秦氏が郡域有数の勢力となり、8世紀末から11世紀に塩業や鉱山開発、土地開発で最有力集団としての地位を確立したのではないか」と述べた。
生浪島宮司は「大避神社と秦氏」と題し、航海安全や芸能の神とされる祭神・秦河勝にまつわる伝承を紹介。これまでに日本文化研究の第一人者だった故梅原猛さんなど多くの専門家が研究に訪れ、著名な能楽師や邦楽の演奏家などが参拝したことに触れ、「現場に行くのが一番。ぜひお参りいただきたい」と来社を呼び掛けた。
同フェスは6月12日(日)まで(6日は休館)。会期中は1階ギャラリーで「大避神社由来書」や有年牟礼・山田遺跡で発掘された「秦」の刻字がある須恵器などを展示。千種川流域の秦氏ゆかりの史跡を紹介する写真展、相生市入野の日本画家、船岡美和子さんの作品展「秦河勝と佛たち」も開催中。
5日(日)は午後1時半から「秦氏を学ぶ会」による公開研究発表会。最終日午前11時からギャラリー朗読会がある。
<前の記事 |
音楽の力で心も身体も健康に ミュージックセラピーコンサート [ イベント ] 2024年11月19日JAXAミッション支援 高校生たちが観測チャレンジ [ 文化・歴史 ] 2024年11月17日美術家8人が出品「群象の会」展 22日から [ 文化・歴史 ] 2024年11月15日獅子舞4団体が熱演 赤穂市伝統文化祭 [ 文化・歴史 ] 2024年11月10日アートで地域の魅力さらに 御崎でプロジェクト [ 文化・歴史 ] 2024年11月06日獅子舞保存会4団体出演 9日に伝統文化祭 日展書の部11年連続入選 塩屋の清水まみさん [ 文化・歴史 ] 2024年11月03日赤穂市文化賞・スポーツ賞など 7団体50個人表彰 農産物と手作り雑貨 学生らが期間限定ショップ 画業50周年 母校に画集寄贈 赤穂出身の山本雅也さん [ 文化・歴史 ] 2024年10月25日人気スイーツや新鮮野菜など14店舗「出張さんもく楽市」 亡祖父の思い受け継ぎ唐獅子絵馬奉納 [ 文化・歴史 ] 2024年10月19日赤穂民報主催・第42回習字紙上展の作品募集 群集墳テーマに特別展「播磨に現れた黄泉国」 [ 文化・歴史 ] 2024年10月18日2024赤穂市美術展 7部門で56点入賞 [ 文化・歴史 ] 2024年10月17日
コメント
1 0
投稿:歴史ずき 2022年06月05日コメントを書く