赤穂緞通の生みの親 児島なか生誕200年展
2023年11月18日
日本三緞通の一つに数えられる手織り敷物「赤穂緞通」を開発した女性の業績を偲ぶ特別展「児島なか生誕200年記念 赤穂緞通」が上仮屋の赤穂市立歴史博物館で11月18日(土)開幕。戦前に織られたさまざまな文様の作品のほか、図面や関連資料など約90点を展示。赤穂緞通の歴史と魅力を紹介する内容となっている。

児島なかは文政6年(1823)11月に中村(現在の赤穂市中広)に生まれた。結婚後、夫婦で高松を訪れた際に見た「万暦氈(ばんれきせん)」と呼ばれる中国製緞通の精巧な出来映えに感動し、国産綿糸での製作に取り組む。20数年間の試行錯誤の末、明治3年(1870)に座布団大のほぼ完全な緞通1枚を織り上げることに成功した。一畳敷織の機を考案し、京阪方面に販路を開拓。赤穂緞通の営業化まで成し遂げた。
その後は工場(今展へ向けた調査で現在の相生証券赤穂営業所がある場所と判明)を増設して大型の緞通も手掛けるなど発展させた。夫や長男に先立たれる中、孫を後継者として事業を拡大し、同23年(1890)の第3回内国勧業博覧会で3等有功賞を受賞。品質は高く評価された。翌年に緞通考案と殖産の功績で県知事より木盃を授与され、同36年(1903)10月17日に満80歳で生涯を閉じた。
特別展では、なかの経歴や緞通を考案した経緯、児島家から緞通の製法を教わって明治天皇・皇后の御料車用に製品を納めた早川緞通工場について資料を基に紹介する。赤穂緞通コレクションのコーナーでは明治から昭和前期に織られた緞通を展示。児島家の工場で製作されたとみられる一畳敷(永應寺蔵)は織りの技術の高さがうかがえる。
展示を企画した学芸員の木曽こころ係長は「児島家や赤穂緞通の歴史について新たに判明したこともあり、展示に反映させているので、そのあたりもご覧いただければ」と話している。
来年1月23日(火)まで午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。12月20日に一部展示替え。水曜と年末年始は休館(12月13日と1月2・3日は臨時開館)。入館料300円(小中学生150円)。図録は1部1300円、一筆箋は1冊550円で販売する。TEL43・4600。
掲載紙面(PDF):
2023年11月18日号(2530号) 1面 (6,042,595byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)

6畳敷の大型緞通も展示=前期のみ=されている特別展「児島なか生誕200年記念 赤穂緞通」
児島なかは文政6年(1823)11月に中村(現在の赤穂市中広)に生まれた。結婚後、夫婦で高松を訪れた際に見た「万暦氈(ばんれきせん)」と呼ばれる中国製緞通の精巧な出来映えに感動し、国産綿糸での製作に取り組む。20数年間の試行錯誤の末、明治3年(1870)に座布団大のほぼ完全な緞通1枚を織り上げることに成功した。一畳敷織の機を考案し、京阪方面に販路を開拓。赤穂緞通の営業化まで成し遂げた。
その後は工場(今展へ向けた調査で現在の相生証券赤穂営業所がある場所と判明)を増設して大型の緞通も手掛けるなど発展させた。夫や長男に先立たれる中、孫を後継者として事業を拡大し、同23年(1890)の第3回内国勧業博覧会で3等有功賞を受賞。品質は高く評価された。翌年に緞通考案と殖産の功績で県知事より木盃を授与され、同36年(1903)10月17日に満80歳で生涯を閉じた。
特別展では、なかの経歴や緞通を考案した経緯、児島家から緞通の製法を教わって明治天皇・皇后の御料車用に製品を納めた早川緞通工場について資料を基に紹介する。赤穂緞通コレクションのコーナーでは明治から昭和前期に織られた緞通を展示。児島家の工場で製作されたとみられる一畳敷(永應寺蔵)は織りの技術の高さがうかがえる。
展示を企画した学芸員の木曽こころ係長は「児島家や赤穂緞通の歴史について新たに判明したこともあり、展示に反映させているので、そのあたりもご覧いただければ」と話している。
来年1月23日(火)まで午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。12月20日に一部展示替え。水曜と年末年始は休館(12月13日と1月2・3日は臨時開館)。入館料300円(小中学生150円)。図録は1部1300円、一筆箋は1冊550円で販売する。TEL43・4600。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2023年11月18日号(2530号) 1面 (6,042,595byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
日本遺産写真展 塩屋の矢野博之さん「生島の夕暮れ」が最優秀賞 [ 文化・歴史 ] 2025年04月01日
復元塩田で昔の塩づくりを体験 [ 文化・歴史 ] 2025年03月21日
雨聲会展 故室井澄氏の遺作も展示 [ 文化・歴史 ] 2025年03月18日「音の風景」テーマに趣味のボールペン画展 [ 文化・歴史 ] 2025年03月16日
赤穂緞通織り続けて34年 ベテラン作家が初個展 [ 文化・歴史 ] 2025年03月15日
西国街道で歴史ウオーク 「西の箱根」歩く [ 文化・歴史 ] 2025年03月10日
「坂道」テーマに作品展 メイプル写友会 [ 文化・歴史 ] 2025年03月10日
赤穂城跡の魅力満載 デジタルミュージアム 21日から公開 [ 文化・歴史 ] 2025年03月08日
姫路市美術展 妹岡実さんが写真で奨励賞 [ 文化・歴史 ] 2025年03月04日終戦80年 児童合唱団がオペレッタ「琉球讃歌」 女性たちによる絵画展「女・女・女展」 [ 文化・歴史 ] 2025年02月20日三世紀半続く獅子舞伝承 保存会に「ともしびの賞」 [ 文化・歴史 ] 2025年02月15日
ジャンル超えて美術家連合会展 [ 文化・歴史 ] 2025年02月14日部活動の地域展開 2026年度中に完全移行へ 市民劇団が6年ぶり舞台公演 オリジナルミュージカル「ヘンゼルとグレーテル」
コメント
0
4
投稿:赤穂民報 2023年11月18日
6
1
投稿:開催場所が 2023年11月18日コメントを書く