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立候補予定者らが政策、理念を熱弁

 2009年03月27日 
立候補予定者らが理念や政策を語った「声を聴く会」
 告示3日前の26日夜、「立候補表明者の声を聴く会」(赤穂青年会議所主催)が市文化会館で行われた。市議選では赤穂で初めての公開討論会。会場の小ホールには約300人が来場し、壇上で熱弁を振るう出席者の声に聴き入った。
 「聴く会」には、青年会議所が出席を呼びかけた23人中10人が参加した。
 前半の「○×質問」では市政課題への考え方や問う10問を出題。出席者が一斉にボードで賛否を示し、1人3問を上限に1分間の補足発言を行った。
 「赤穂市の入札制度には問題点がある」(全員○)、「赤穂市の公共施設の障がい者対応は十分できている」(全員×)など全員の回答が一致したものもあれば、「ごみ処理は民営化すべきだ」(○4人、×6人)、「将来的には相生市、上郡町と合併したほうがよい」(○2人、×7人、どちらともいえない1人)のように意見が割れ、各自の考え方の違いが際立つ場面もみられた。
 後半の「3分間スピーチ」では、くじ引きで決めた順番で一人ずつステージ中央の演台へ進み、政治理念や政策を持ち時間ぎりぎりまで聴衆に訴えた。
 友人と来場した目坂の無職女性(67)は「スピーチから熱意が伝わってきた。またこのような機会があれば必ず参加したい」と内容におおむね満足したようす。北野中の無職男性(72)は「議員は全員参加すべきだった。今後の演説などに注目して、市民の義務である投票に行きたい」と話した。
 赤穂青年会議所(JC)の寺田眞康理事長(39)は「議会と市民との距離を近づけたいと考えて開催した。賛同してくれた出席者のみなさんとご来場の方々に感謝したい」と語った。
 各出席者の発言要旨は次のとおり。

【第1部・○×質問】※記号の後ろの氏名は50音順、敬称略。補足説明は発言順。

◆第1問「赤穂市議会もインターネット中継を導入すべきだ」
 ○=全員

◆第2問「赤穂市の入札制度には問題点がある」
 ○=全員
 藤友俊男(○)「総合評価制度、小規模登録制度などを作ったが、実態に応じた改善が必要」
 小林篤二(○)「公共工事をできるだけ地元へ循環させて地域経済への波及効果を」

◆第3問「赤穂市の公共施設の障がい者対応は十分できている」
 ×=全員
 江見昭子(×)「トイレはバリアフリーではなく和式が多い。手すりの設置も必要。市内施設を見直すべき」

◆第4問「赤穂市職員は多すぎる」
 ○=汐江史朗、釣昭彦、藤友俊男
 ×=江見昭子、川本孝明、小林篤二、藤本敏弘、村阪やす子
 −=籠谷義則、前川弘文
 小林篤二(×)「上郡町やテクノの消防委託など特殊要因を除くと、類似団体の平均以下である」
 前川弘文(−)「他の市と違い、幼稚園も保育所も市立。消防の受託もあるので簡単に比較できない」
 籠谷義則(−)「消防署、病院の職員が多く含まれている。比較できない」
 汐江史朗(○)「一概に多い、少ないは言えないが、仕事の仕方、仕組みを変える必要がある」
 藤本敏弘(×)「職員数932人(平成20年度4月)のうち400人が病院、100人が消防。実質は行政に支障をきたしている」

◆第5問「備前市、上郡町との定住自立圏構想は積極的に進めるべきだ」
 ○=釣昭彦、藤友俊男、藤本敏弘、前川弘文
 ×=江見昭子、籠谷義則、川本孝明、小林篤二、汐江史朗、村阪やす子
 藤友俊男(○)「共生ビジョンの中に、道の駅や赤穂東インターなどの対象メニューがあればさらに推進していきたい」
 江見昭子(×)「台風災害の教訓を生かすなら1キロ四方に定住や自立のための構想が必要」
 小林篤二(×)「市の説明が市民に行き届いていない。国の甘い言葉にだまされず、石橋を叩くときだ」

◆第6問「赤穂市の6次行政改革によって、市の財政破たんは回避できる」
 ○=籠谷義則、釣昭彦、藤本敏弘
 ×=江見昭子、川本孝明、小林篤二、汐江史朗、藤友俊男、村阪やす子
 −=前川弘文
 川本孝明(×)「市民負担を押し付ける行革はきっぱり反対。真っ先にメスを入れるのは3セク事業だ」
 村阪やす子(×)「市としてやるべきことを徹底的にやって、最後に市民にお願いするのが順序」

◆第7問「市議の家族が経営する会社は、二次下請けであっても、赤穂市の仕事を辞退すべきだ」
 ○=江見昭子、川本孝明、小林篤二、村阪やす子
 ×=籠谷義則、釣昭彦、藤友俊男、藤本敏弘、前川弘文
 −=汐江史朗
 釣昭彦(×)「倫理条例は一次下請けを禁止しているため、二次下請けを禁止することはない」
 川本孝明(○)「制定した議員倫理条例の精神からすれば辞退すべき」

◆第8問「市議の報酬はこれ以上下げるべきではない」
 ○=江見昭子、川本孝明、小林篤二、藤友俊男、藤本敏弘、村阪やす子
 ×=汐江史朗
 ‐=籠谷義則、釣昭彦、前川弘文
 籠谷義則(‐)「仕事をしている人にとっては少なく、仕事をしていない人からすれば多い」
 村阪やす子(○)「議員活動と生活の保障を考えるとこれ以上下げるべきでない」

◆第9問「ごみ処理は民営化すべきだ」
 ○=汐江史朗、釣昭彦、藤友俊男、藤本敏弘、
 ×=江見昭子、籠谷義則、川本孝明、小林篤二、前川弘文、村阪やす子
 江見昭子(×)「公共性があり、市民は税金を払っていることから民営化は考えられない」
 釣昭彦(○)「民間委託によって非常に多大な経費削減ができ、さらに進めば土日の集配も可能」
 籠谷義則(×)「民営化するとスト権が発生し、困るのは市民のみなさん。反対」
 川本孝明(×)「儲け本意の運営になり、労働条件の低下、収集回数が減少するのでは」

◆第10問「将来的には相生市、上郡町と合併したほうがよい」
 ○=籠谷義則、藤友俊男
 ×=江見昭子、川本孝明、小林篤二、釣昭彦、藤本敏弘、前川弘文、村阪やす子
 −=汐江史朗
 村阪やす子(×)「平成の大合併で合併した自治体は決してよくなっていない。合併せず、消防など広域でやっていける」
 汐江史朗(−)「今できることから広域行政を進めて、そのときに合併を判断したい」
 藤友俊男(○)「広域的な行政執行が大切。時期は県の統合や合併、道州制の時期に議論すべき」
 藤本敏弘(×)「国は道州制を検討中。今さら小さいところ同士で合併より、もっと大きな流れが来るのでは」


【第2部・3分間スピーチ】※発言順

▼釣昭彦氏
 「市の財政改革のために議員自ら身を削る意味でも定数削減への努力が必要。代表質問で妊婦健康診断の補助回数増を提案し、基本健診14回すべての補助が決定した。外来助産所設置に向けた答弁も得た。今後も行財政改革をチェックし、安全安心な夢の持てる生活を市民とともに築きたい」

▼川本孝明氏
 「“市民こそ主人公”を信条に4期16年の議員活動で三セク事業の官製談合疑惑などを市長に質してきた。雇用不安が広がる中、行政が主体的に雇用をつくり出すように早急な計画を求めていく。2月に制定された議員政治倫理条例を生かして市民の付託に答えたい。議会報告会を実施するなど開かれた議会とするため全力を挙げる」

▼藤友俊男氏
 「国、県の財源不足、不透明な地方分権の中だが市政の停滞は許されず、推進中の行革を断行すべき。封建的な市政風土を改善し、職員自ら提案実行できる前向きな志気高揚を醸成したい。医師確保、景気対策、加里屋川改修など山積する課題に一刻も早く結果を出すことが市と議会に求められていると認識している」

▼江見昭子氏
 「皆さんの声、要望を議会へ届け、市政に反映させるために一生懸命がんばってきた。活動原点は平成16年の有年を襲った台風21号被害。災害に遭った住民の安全安心なまちづくりへの願いは切実で、議会の度に築堤や護岸改修、住宅支援などを要求してきた。引き続き安全安心に暮らせる赤穂市へと全力を挙げる」

▼籠谷義則氏
 「公正公平で、きれいな政治を目指したい。中学時代に野球部でキャプテンを務め、『嫌われてもやるべきことはやり抜く』との教訓を得た。子ども、家族、みんなの素朴な夢を実現すること、努力する人が報われる政治の実現を目指すこと、政治の光がすべての人に平等に届く社会のために『愛と行動の政治』を信条に全力を尽くす」

▼小林篤二氏
 「介護保険の基金3億円が還元され、4月から県下の市では一番安い保険料になる。今後もくらし、福祉を守っていく姿勢で全力を尽くす。ムリ・ムダ・ムラをなくし、効率化を求める行政改革には常に取り組むべき。今の行革は駅事業のツケ回しに過ぎない。市民参加条例を活かし、ガラス張りの開かれた市政を」

▼藤本敏弘氏
 「情熱と行動力を信条に3期12年務めた。市営住宅に暴力団員は入居できない条例改正を提言し、実現に至った。歳入不足、少子高齢化で行政環境が大きく変わっていくが、皆さんの生活を第一にし、福祉サービスをできるだけ低下させないようにスピード感を持って取り組んでいく」

▼汐江史朗氏
 「赤穂で生まれ、赤穂で育ち、赤穂が大好き。住んでよかったと言える町にして次の世代に引き継ぎたい。青年活動をしていた頃は『市民の対話集会』を開催。勤務していた郵便局では、特に尼崎北局ではアイデアと工夫により、年末年始だけで500万円の経費節減を行った。こうした体験を生かして目標を掲げたい」

▼村阪やす子氏
 「女性、主婦の目線で市政の問題点や改善点を市長に質問・要望、提案してきた。子育て世帯の負担軽減のため強く要望してきた乳幼児医療費無料化は現在小学3年生まで無料。今後も中学卒業までの無料化を目指す。また、人生を一生懸命生きてこられた高齢者が、長生きしてよかったと思える赤穂にしたい」

▼前川弘文氏
 「『住みよいまち・あすの赤穂』のために、“身近な暮らしの相談役”として政策提案してきた。国会議員とのネットワークを活かして取り組んだ妊婦健診費助成は4月から14回に拡大。小学校3年生までの医療費全額公費負担も党県議との連携で取り組んだ。今こそ、地域で支え合う交流網づくりに全力で取り組む」


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関連サイト:
■当日の動画(赤穂青年会議所ホームページ)


関連ファイル:
■○×質問結果一覧


掲載紙面(PDF):
2009年3月28日(1841号) 1面 (8,932,269byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
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