赤穂の名物料理生んだ大塩徳次さん逝去
2009年10月01日
在りし日の大塩徳次さん
大塩さんは大正7年に印南郡大塩村(現姫路市)に生まれた。20歳ごろに父の故郷の赤穂へ移住し、御崎で漁師をしながら伊和都比売神社近くに喫茶店「かもめ」を開店。ある年、豊漁だったエビを塩焼きにしてメニューに。「この味をもっと多くの人に食べてほしい」と一念発起し、昭和38年に赤穂駅前で「かもめ屋」を開業した。
鉱山師の家に生まれ、小学校を出てすぐに大阪・船場の薬問屋で丁稚奉公。主人から「これからの商売人は頭を使わなあかん」と教えられた大塩さんは約2カ月間、駅前に立って人の流れを見極め、店の立地を選定。経営理念、営業計画だけでなく、赤穂の経済見通しについてもまとめた論文を銀行に持ち込み、4階建てビルを新築するための融資を獲得した。
徹底した調査と研究は当然料理にも向けられた。ヒントを得るための食べ歩きは北海道から九州まで全国に及び、特に味の決め手となるタレには心血を注いだ。さまざまな調味料や材料を、分量を変えて何度も調合した末に、あの独特の味を編み出した。また、目先の利益よりも「信用」を重んじ、客と同じぐらい仕入先を大切にしたという。
屋号の「かもめ」は「鳥のように世界にはばたく」との思いを込めて名付けた。85歳まで厨房に立ち、昨年9月に引退するまで海浜店の事務所で経営を取り仕切った。その後、体調を崩したが、病床にあっても家族らに「アメリカ出店」の夢を何度も語った。
「最後は風が持っていくように、スーッと息を引き取りました」と最期を看取った妻のひで子さん(85)。穏やかに天国に旅立った。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2009年10月3日(1865号) 4面 (7,931,050byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
鹿と衝突事故急増 赤穂署が注意マップ [ 社会 ] 2022年12月03日障害者殺傷事件の被害者家族が語る「これからわたしたちがすべきこと」 [ 社会 ] 2022年11月26日婦人共励会の後藤和子会長に県自治賞 [ 社会 ] 2022年11月25日海浜公園のあり方部会「環境保全と民間活力導入」検討 [ 社会 ] 2022年11月25日新給食センター整備へ実施方針公表 「赤穂の警察官賞」で2署員表彰 [ 社会 ] 2022年11月13日皆既月食と天王星食 赤穂上空でも観測 [ 社会 ] 2022年11月09日中学生が寸劇で防犯呼び掛け [ 社会 ] 2022年11月04日海から遠くへ「津波防災の日」前に避難訓練 《市民病院医療事故多発》患者妻が心境「防げる命守って」 [ 社会 ] 2022年10月29日3年ぶり選考「赤穂義士娘」が決定 [ 社会 ] 2022年10月26日「相生有年道路」4車線区間1・5キロ延伸へ [ 社会 ] 2022年10月26日「特殊詐欺にだまされないで」赤穂署が防犯ちらし [ 社会 ] 2022年10月19日《市民病院医療事故多発》スタッフから「ボイコット」後も手術 [ 社会 ] 2022年10月01日「ピースロード」正副議長も出席 市議が依頼
コメント
もらってた。
今はもうメニューにはないけど、食うのは決まって「トンバター焼き」
ガキん時やったらか、世界中で一番美味い肉はかもめ屋のトンバター焼きや
と思うとった。
野菜嫌いやったけど、かもめ屋のタレをつけたデカイ野菜は美味くて全部
食えた。
いつか大人になったら自分の金で腹イッパイかもめ屋の肉を食うのが夢の
ひとつやった。
大学4年の夏、就職面接で合格した日、神戸からの面接の帰りに初めて独り
で駅前のかもめ屋へ行った。
その時にはもう「トンバター焼き」はなかったけど、自分の金で腹イッパイ
かもめ屋の肉とエビを食った。
ガキの時の小さな夢がかなった日やった。
大塩さん、ごちそうさまでした。
1 0
投稿:ドリームズカムトルゥー 2009年10月01日コメントを書く