上郡出身の偉人、大鳥圭介墨蹟展
2010年11月13日
大鳥圭介墨蹟展の展示品と西光寺・多田満之住職。手にしているのは圭介の遺影
上郡町教委によると、大鳥圭介は1832年(天保3)、赤穂郡細念村(現上郡町岩木丙)で代々村医者の家系に生まれた(※天保4年生まれとする説もあり)。岡山県の閑谷学校で儒学を学んだ後に赤穂の蘭学医、中島意庵に師事。大坂・緒方洪庵の適塾などで兵学、西洋医学のほか幅広い知識を身につけた。
幕末には幕臣として陸軍の近代化を進め、明治維新後は新政府の高官として殖産興業、外交に貢献。工部大学校(現東京大学工学部)の学校長も兼務し、多くの技術者を世に送り出した。79歳で亡くなるまで生涯詩書に親しみ、「如楓」の雅号で多くの書を残している。
墨蹟展は遺筆を長年収集してきた多田住職が、今年100回忌を迎えた圭介の遺徳を偲ぼうと企画した。40代以降の筆跡を中心に、戊辰戦争中に書した七言絶句「五稜郭」、晩年近くの作とみられる「福壽無量」など掛軸約30点を展示。伊藤博文、桂小五郎など同時代を生きた人物の書も数点並べる。
「戦争中に書かれた文字は太く荒々しく、年を取るごとに細く落ち着いた書体へと変化が感じられる。その時々の心情が書に表れているようで興味深い」と多田住職。「一字一句を味わいつつ、郷土が生んだ偉人の足跡を振り返ってもらえれば」と鑑賞を呼びかけている。
11月20日(土)まで午前10時〜午後4時。入場無料。同寺は国道373号の高田橋南詰め交差点からJR山陽本線沿いに北へ約300メートル。Tel52・1064。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2010年11月13日(1919号) 3面 (8,323,291byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
子どもたちが恒例の「お田植え祭」 憧れた装束 高校生が雅楽披露 [ 文化・歴史 ] 2022年06月19日坂越の船祭 3年ぶり「船渡御」実施へ コンセル・ヌーボ定期演奏会 19日に開催 コンセプトは「昔の縁側」坂越に古民家カフェ開店 松年『富士牧狩図』も 未公開収蔵品展 [ 文化・歴史 ] 2022年06月11日ル・ポン音楽祭 チケット発売8月10日 親子券を先行受付 通算入館者数30万人達成 旧坂越浦会所 考古学の視点で考える「秦氏」のルーツ 宮前桜でチャリティアート展 賛同作家募集 3日から「秦氏フェス」4日に記念講演 [ 文化・歴史 ] 2022年05月28日市美術協会展に力作43点 [ 文化・歴史 ] 2022年05月27日緞通に魅せられ 作家目指して移住 [ 文化・歴史 ] 2022年05月22日北野中の大川礼子さん 国展で斎木幸子賞 [ 文化・歴史 ] 2022年05月21日樫本大進と独の名門オケ共演 21日一般発売
コメントを書く