「千年に一度の津波」で市内世帯6割浸水
2011年10月25日
兵庫県が公表した赤穂市域の「津波被害警戒区域図(暫定版)」
津波被害想定の見直しは現在、国の中央防災会議でも進められているが、資料を作成した県防災計画課は「一日でも早く具体的な対策準備に取りかかる必要があると考え、県独自でまとめた。あくまでも暫定版ではあるが、防災計画に役立ててほしい」と話している。
県はこれまで、1854年に起こった「安政南海地震」(M8・4)を前提に津波対策を行ってきたが東日本大震災を受け、M9・0の地震が発生した場合も想定に追加。それによる津波高を従来予測の2倍とした。この試算によれば、赤穂市で予測される津波の高さは従来の2・33メートルから3・86メートルに引き上がる(※注)。
今回公表された警戒区域図は、満潮時に最大津波高が打ち寄せ、しかも、既存の防潮堤が全く機能しない場合を想定。津波高と同じ標高まで津波が到達するものとした。
それによると、赤穂市には地震発生から110〜120分後に津波が到達し、市南部の平野部がほぼ全域にわたって浸水。面積18・4平方キロメートル、約1万900世帯、約2万9500人が影響を受けるとされる。県の従来予測では、赤穂市は「津波による浸水なし」とされていた。
県は11月上旬には、防潮堤が機能した場合の「津波浸水想定区域図」も公表予定。また、今年度中に津波災害対応のガイドラインを改定し、各市町にもマニュアルの見直しを促すという。
こうした県の動向に赤穂市の安全安心担当は「資料を精査した上で防災計画、ハザードマップへの反映を検討したい。それと同時に、現在進めている一時避難ビルの選定作業など、できることを着実に実行していく」と話している。
※注=「津波高」は地震による津波の高さに満潮時の潮位(赤穂市の場合は0・8メートル)を加算して算出している。従来予測されていた「地震による津波の高さ=1・53メートル」を2倍した数値に満潮時潮位を加えると、「3・86メートル」となる。
<前の記事 |
関連サイト:
■関連資料(10月24日、知事定例記者会見のページ)
掲載紙面(PDF):
2011年10月29日(1964号) 1面 (7,561,282byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
「人には尽くせ」母の教え守り人命救助 [ 社会 ] 2023年02月19日「テロ行為でガス爆発」市役所で対応訓練 [ 社会 ] 2023年02月15日県議選説明会 現職の長岡氏陣営のみ出席 [ 社会 ] 2023年02月14日救急搬送困難事案が前年1・6倍 コロナ禍影響 [ 社会 ] 2023年02月11日空き巣など窃盗犯増加 2022年赤穂署管内 「安全確保を第一に」赤穂駅で不審者対応訓練 [ 社会 ] 2023年02月07日「渚の再生」「塩サウナ」…海浜公園活性化へ要望提案 [ 社会 ] 2023年02月05日ろう者も聴者も一緒におしゃべり「手話カフェ」 [ 社会 ] 2023年02月04日市庁舎南側玄関にスロープ 身障者用駐車区画も増設 [ 社会 ] 2023年02月04日5万年ぶり地球最接近の「ZTF彗星」 [ 社会 ] 2023年01月31日姫路から赤穂まで8時間半 JR遅延 乗客が体験談 [ 社会 ] 2023年01月26日特殊詐欺など被害防止へ市と警察が協定 [ 社会 ] 2023年01月26日降雪で鉄道、道路に影響 高取峠は25日午前9時45分に規制解除 [ 社会 ] 2023年01月25日寒波到来前に凍結防止剤を散布 [ 社会 ] 2023年01月24日市民病院「今年度中にガバナンス検証委から結論」 [ 社会 ] 2023年01月23日
コメント
0 0
投稿:narayamajj 2014年02月28日例えば、高層ビルであっても場所次第で避難に時間が掛かる、
津波の流量次第で倒壊する可能性があるなら、高所に逃げる
道路を整備する方が市全体の避難が迅速化できる。
仮に赤穂市の真ん中に高層ビルがあったとして、どれだけの
人間が瞬時に避難できるのか。ビルの維持費は?となると
“道”を作り、周知させる方が低コストな気がします。場合に
よっては、通勤時間帯の渋滞緩和策とのを抱き合わせ対策も
可能と考えます。
自分としては避難ビルより“たくさんの逃げ道”が良いと思います。
0 0
投稿:親父 2011年10月28日コメントを書く