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松原町自治会が防災台帳整備

 2012年02月18日 
「自主防災世帯台帳」を取りまとめた松原町自治会。13日には地域防災訓練へ向けた打ち合わせた
 万一の災害時に自力避難が困難な人たちを地域の力で救おうと、松原町自治会(中西尚会長、195世帯)が「自主防災世帯台帳」をこのほど整備した。町内全世帯に家族名簿の提出を呼び掛け、およそ99%から回収。お年寄りや障害者、乳児など25人が援護を望んだ。自治会では組長を中心とした救援体制を整える予定。東日本大震災以降、必要性がクローズアップされている“共助”の取り組みとして注目される。
 行政による“公助”だけに頼らず、住民相互の連携を防災体制に組み込む考え方は阪神淡路大震災以降に拡大。しかし、プライバシー保護がネックとなり、名簿の作成に踏み切れない場合が多い。松原町では、東日本大震災を契機に台帳づくりを決定。防災勉強会を開いて意識を高め、昨年12月に記入フォームを全戸配布した。
 一世帯につきA4判1枚。住所、電話番号のほか、居住者全員について氏名、生年月日、血液型、そして災害時に援護を必要とするかどうかを記入する。自治会に加入していないアパートにも提出を呼び掛け、200を超える世帯から回答が返ってきた。要援護者情報のみを該当世帯がある地区の組長に提供し、原本は自治会長が厳重に保管する。
 災害時要援護者の情報把握については、民生委員から収集した情報を行政が自治会にフィードバックする手法が全国的に広まっているが、情報伝達が滞るなどで十分に機能しないケースも。松原町においても市が管理する台帳では災害時要援護者の数は現在「0人」となっている。
 寝たきりの家族を介護する女性は「災害時にどうやって避難すればよいか、ずっと不安でした。地域のみなさんが気にかけてくれるのはありがたいこと」と援護を希望したという。
 救助体制の現実的な役割分担、随時変化していく情報把握など今後の課題はあるが、「みなさんの協力のおかげで取り組みの第一歩を踏み出せた」と中西会長。19日には住民参加の地域防災訓練を自治会主催で行うことにしており、「『災害に強い松原町』を目指して地域の絆を深めたい」と意気込んでいる。
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掲載紙面(PDF):
2012年2月18日(1980号) 3面 (9,118,947byte)
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