松岡與之助の功績たどる特別展
2012年06月02日
有年地区の医療と文化に尽くした松岡與之助の功績をたどる特別企画展
明治21年に赤穂郡楢原村(現赤穂市有年楢原)で出生した與之助は龍野中から京都帝大へ進み、医学博士の学位を取得した。大正14年に郷里で眼科医を開業し、当時流行したトラコーマの治療に尽力。病院での診察にとどまらず、予防のための生活衛生環境の向上にも力を注いだ。
その一方で人材育成への関心も高く、院内の講堂に地元の若者たちを集めて弁論大会を開催。自ら編集発行した地域誌「郷土研究」を村内全戸に配布し、歴史、自然科学、医学など多岐にわたって地域文化を啓発した。昭和7年に45歳の若さで亡くなったが、郷土を愛した思想と哲学は後に有年考古館を創設した弟・秀夫(1904−85)に受け継がれた。
特別企画展は今年が没後80年に当たることから同館が企画した。「松岡眼科病院と有年文化活動を振り返る」と題し、尋常小学校の通信簿、学生時代に書いた英文の医学論文、「郷土研究」の実物誌面と手書き原稿など、孫の徹さんから借りた多数の遺品で足跡をたどる。
考古館の近くに今も建つ與之助の立像は戦時供出で備前焼製に差し替わったが、元は当時の患者らが50銭ずつ出し合って建立した銅像だった。同館研究員の山本智子さん(47)は「ふるさとを心から愛し、地域文化の礎を築いた人物。展示を通してその足跡をたどってもらえれば」と話している。
7月9日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半まで)。火曜休館。TEL49・3488。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年6月2日(1993号) 1面 (7,268,658byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「写壇・あすなろ」がミニ写真展 [ 文化・歴史 ] 2021年09月25日23日から「白いチョークの会」展 [ 文化・歴史 ] 2021年09月22日「黄谷の土」で雲火焼 生誕200年展へ制作進む [ 文化・歴史 ] 2021年09月11日西播磨ふるさと写真展で知事賞 [ 文化・歴史 ] 2021年09月03日築城360年など記念「まるごと赤穂城博」 [ 文化・歴史 ] 2021年08月29日中央義士会が理事長を解任 [ 文化・歴史 ] 2021年08月28日人間国宝の大倉源次郎さんら奉納演奏 [ 文化・歴史 ] 2021年08月24日歴史発見講座「五輪と兵庫県」 [ 文化・歴史 ] 2021年08月22日歴史研究講座「赤穂城下町のなりたち」 ル・ポン音楽祭「中止」 別方法を検討 [ 文化・歴史 ] 2021年08月18日「故郷で映画撮りたい」赤穂出身学生が支援呼び掛け [ 文化・歴史 ] 2021年08月18日古代人の知恵感じたかご作り体験 赤穂市美術展 募集要項を発表 合唱曲「赤穂の子たちへ」地元で初披露 [ 文化・歴史 ] 2021年07月29日芝居づくり体験ワークショップ参加者募集
コメントを書く