坂越史研究に先鞭、佐方渚果展
2012年10月18日
旧坂越浦会所で開催中の特別企画展
佐方渚果(さがた・しょか、本名恒一、1902−76)は坂越村鳥井で豪商・奥藤家の大番頭を勤めた家の次男として生まれた。幼いころから学業に秀でたが、進学をあきらめて神戸三宮郵便局に就職。21歳のときに長兄が亡くなり、帰郷して家督を継いだ。
郷土史に関心を持ったのは、江戸中期の儒者、藤江熊陽が著した『播州赤穂郡志』を読んだのがきっかけ。貴重な郷土史料から市井の印刷物に至るまで幅広く集めた。20年以上の歳月をかけて郷土の出来事を時系列にまとめ上げた『越浦年表』、地元で使われている方言を網羅した『坂越の言葉』、江戸後期以降に市内であった茶会の内容を記録した『赤穂茶人考』など著書、論文も数多く残した。
本展では、自筆原稿や愛用の手帳など遺品約300点を展示。また、有年楢原の赤穂市立有年考古館では渚果が本業とした表具師の道具類と手がけた掛け軸など200点余りを紹介している。
遺品を提供した長女の佐方さよ子さん(76)は「父が残したものは宝物。日の目を見ることができ、ありがたい」と話している。
両施設とも11月12日(月)まで午前10時〜午後4時。火曜休館。無料。問い合わせは同考古館TEL49・3488まで。
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掲載紙面(PDF):
2012年10月20日(2010号) 3面 (9,643,390byte)
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