負債33億円、市土地開発公社解散へ
2013年02月07日
赤穂市は、多額の負債を抱える市土地開発公社を平成25年度末までに解散する方針を固めた。公社清算に必要な経費を調達できる特例地方債の発行可能期間が同年度で終了するため、“駆け込み”で解散に踏み切る。
赤穂市は昭和48年に市の100%出資で公社を設立。これまでに99・7ヘクタールの公共用地を取得し、赤穂市民病院、関西福祉大学などが整備された。しかし、昨年度末で保有する約8ヘクタールの97・7%(金額ベース)が10年以上“塩漬け”になっており、今後も事業化の見通しが立たない状況。金融機関からの借入金に対する今年度の利払いは5740万円(金利1・475%)に上る。市は「公社をこのまま存続させることは、将来にわたって市の財政負担の要因になる」(財政課)と解散を決断。先月10日の公社理事会で解散同意を議決し、5日の市議会総務文教委員会に報告した。
市の試算では、解散時の公社の負債額は33億円になる見込み。支払い利息の一部について特別交付税措置を受けられる「第三セクター等改革推進債」を財源とし、市が金融機関へ一括返済する。公社が市に代物弁済する保有地の時価は「概算で18億円」(同公社)のため、差額の15億円は債権放棄の手続きをとる。
今後は6月議会での議決へ向け、5月に起債計画を県へ提出する予定。三セク債の償還期限が短いほど市財政のやり繰りは苦しくなるため、市は「原則10年以内」と定められている期限の延長を県に要求していく。
土地開発公社は、公共施設や企業誘致などに将来活用が見込める用地を自治体に代わって先行取得することを目的に全国の自治体が設置。地価が上昇していた時代には自治体に経済的メリットをもたらしたが、バブル崩壊後は存在意義が薄れた。
掲載紙面(PDF):
2013年2月9日(2026号) 1面 (14,397,826byte)
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赤穂市は昭和48年に市の100%出資で公社を設立。これまでに99・7ヘクタールの公共用地を取得し、赤穂市民病院、関西福祉大学などが整備された。しかし、昨年度末で保有する約8ヘクタールの97・7%(金額ベース)が10年以上“塩漬け”になっており、今後も事業化の見通しが立たない状況。金融機関からの借入金に対する今年度の利払いは5740万円(金利1・475%)に上る。市は「公社をこのまま存続させることは、将来にわたって市の財政負担の要因になる」(財政課)と解散を決断。先月10日の公社理事会で解散同意を議決し、5日の市議会総務文教委員会に報告した。
市の試算では、解散時の公社の負債額は33億円になる見込み。支払い利息の一部について特別交付税措置を受けられる「第三セクター等改革推進債」を財源とし、市が金融機関へ一括返済する。公社が市に代物弁済する保有地の時価は「概算で18億円」(同公社)のため、差額の15億円は債権放棄の手続きをとる。
今後は6月議会での議決へ向け、5月に起債計画を県へ提出する予定。三セク債の償還期限が短いほど市財政のやり繰りは苦しくなるため、市は「原則10年以内」と定められている期限の延長を県に要求していく。
土地開発公社は、公共施設や企業誘致などに将来活用が見込める用地を自治体に代わって先行取得することを目的に全国の自治体が設置。地価が上昇していた時代には自治体に経済的メリットをもたらしたが、バブル崩壊後は存在意義が薄れた。
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