「まちのシンボル」“宇宙桜”植樹へ
2013年02月13日
「宇宙桜」の若木を受け取る福浦勇さん=右から2人目
国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から地球に帰還した種子を発芽させたもので、「未来へ向けた新たなまちづくりのシンボルにふさわしい」と市民有志が育成保存会を結成。2月17日(日)に植樹式を行う。
岡山県真庭市別所(旧美川村別所)にある「醍醐桜」は樹高18メートル、根元の幹周9・2メートル、枝張り直径20メートルのエドヒガンで県天然記念物。元弘2年(1332)に隠岐へ流される途中の後醍醐天皇が賞賛したことから呼ばれるようになったと言い伝えられている。全国13カ所から桜の名木の種子を集めて宇宙へ送った「花伝説プロジェクト」に選ばれ、種子197粒をISSに8カ月半保管。国際天文年の平成21年7月に宇宙飛行士の若田光一さんとともに地球へ戻った。桜栽培歴40年の氏平薫明さん(75)=同県美咲町西垪和=が世話した7本をはじめ計10本の幼木が育ち、“宇宙桜(そらざくら)”と名付けられた。
旧美川村は福浦さん(86)の先祖代々が暮らした地。“宇宙桜”は県庁や市役所などに植えられて残り1本だけとなっていたが、「百年先、千年先まで続くまちの宝にしたい」と懇願する福浦さんの熱意に打たれたNPO「醍醐桜未来プロジェクト」(春木基男理事長)が“虎の子”の一本を提供した。
「貴重な桜を譲っていただき、涙が出るほどありがたい」と福浦さん。「醍醐桜と同じような立派な名木になるように、大切に守り育てたい」と誓っている。
後醍醐天皇は隠岐へ向かう途中、相生にも立ち寄ったと伝えられている。植樹式には帝の休息を世話した功で苗字を賜ったという若狭野町下土井の御門家からも子孫が出席する予定だ。
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2013年2月16日(2027号) 3面 (6,881,923byte)
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