紙から生まれたおとぎの世界
2015年10月03日
幻想的なポップアップアートと作者の月本せいじさん
カットした紙を精巧に組み立てた作品の数々はいずれも繊細で幻想的。実際に手に取って作品を鑑賞できる。
加古川市加古川町のポップアップカード作家、月本せいじ=本名・藤本隆之=さん(25)が「白い童話」をテーマに出品。「不思議の国のアリス」「白雪姫」「赤ずきん」などをモチーフにした作品が並ぶ。
月本さんは昔から紙を使った工作が好きで、保育園では自分で展開図を切って双六のサイコロを作っていたという。仕掛け絵本の巨匠、ロバート・サブダが憧れの存在で、関西福祉大学を卒業して一旦は保育士になったが、「自分も飛び出す絵本の作家になりたい」と2年前からプロとしての道を歩み始めた。
工程はすべて自分で編み出した。出来上がりをイメージして描いたスケッチを基にパソコンで製図し、厚手のケント紙にプリント。カッティングマシンでパーツに切り抜き、接着剤を使わずに手作業で組み立てる。最も時間をかけるのは作品の命とも言える仕掛けの設計。およそ1年かけたこともあるという。
作品をインターネット上で発表したところ人気が広まり、今年2月に大阪府内で初個展。「ほっと・たいむ」の望月盛代オーナーが「こんなに素晴らしい作品は、ぜひ世に広めたい」と声を掛け、兵庫県内で初めての個展となった。今回限定のハロウィーン作品を含めて約40種類を展示。一部販売も行う。
代表作の「球体ポップアップアート」は大小のリングを組み合わせた球形フレームの内部に切り絵が立ち上がる仕掛け。平面に閉じた状態から一瞬でアートに展開する様子はまるで魔法のようだ。
大学時代に友人に贈ったクリスマスカードが最初の作品。そのときと同じく「驚きと感動を与えたい」という思いで作り続けている。月本さんは「視覚とともに、作品が手の中でふわっと広がるときの感触も楽しんで」と話している。
10日14日(水)まで午前8時〜午後5時(最終日は2時まで)。4、5、12日は定休日。TEL49・2992。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年10月3日(2155号) 4面 (11,863,228byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「手仕事の流儀」赤穂の女匠ら意見交換 古民具に命ふたたび リメイク展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月09日9日から市美術協会の第30回小品展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月05日風土が生んだ美「民芸運動の作家」展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月03日東欧・トルコ水彩画展 大津の橋本正史さん [ 文化・歴史 ] 2018年11月03日「あこう路地さんぽ」参加者を募集 市民文化祭 短歌・俳句の入賞者 [ 文化・歴史 ] 2018年11月01日日展5年連続入選 書家の清水まみさん [ 文化・歴史 ] 2018年10月27日絢爛勇壮に東西屋台が競演 塩屋の秋祭り [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日頭人行列に獅子舞、神輿 伝統の「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日5年に一度の大ホールで学校音楽会 坂越生まれ日本画家・後藤仁氏の特別展開幕 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日画業35周年 故郷で里帰り展 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日神輿乗せ和船が巡航「坂越の船祭」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月14日「日本遺産にふさわしい美観を」坂越で清掃ウォーク
コメント
懐かしの「飛び出す絵本」の原理ですが、
緻密でロマンチックでした。
1 0
投稿:昔は仮面ライダー 2015年10月05日コメントを書く