塩づくりの経験を一冊に
2008年09月13日
「赤穂は塩のまち」を発刊した長田作一さん=西浜塩田の名残を示す石柱の横で
長田さんは兵役を終えて昭和21年に赤穂西浜塩業組合に勤務。赤穂海水化学工業(現日本海水)に姿を変えるまでの19年間従事した。高等小学校のころには「寄せ子」として塩田現場での重労働も経験。平成元年にそれらの体験談をまとめた冊子「浜男回想記―塩づくりの春秋」が市文化振興財団から出版されている。
「現在も年間国内製塩量の6分の1は赤穂で生産されており、れっきとした“塩のまち”」と長田さん。「それが忘れ去られようとしていることを食い止めたかった」と2年前から少しずつ原稿を書きためたという。
3章構成。最も紙幅を割いた第2章では赤穂における塩業の変遷を記した。度重なる経営危機を乗り越えた昭和30年代の事情は労働組合の執行委員長だった長田さんならではの詳細な記述となっている。
「多くのピンチにさらされたからこそ、西浜塩田でイオン交換樹脂法が開発され、日本の塩業は世界に名だたる近代産業に生まれ変わった」と長田さん。「その経緯をせめて赤穂の人たちには語り継いでもらいたい」との願いを込めて出版した。
市立図書館、文化施設に贈ったほか、「郷土学習の教材に役立てて」と市内小中学校の教師全員に行き渡る400部を市教委に寄贈。残りは「興味を持ってくれる人に無償で提供」する予定。問合せは長田さんTel42・5143。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年9月13日(1812号) 1面 (8,968,464byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
伝統の婚礼再現「坂越の嫁入り」 [ 文化・歴史 ] 2023年11月05日「映画会社やテレビ局はなぜ『忠臣蔵』を作らなくなったのか」春日太一氏講演 第62回赤穂市民文化祭 短歌・俳句入賞作 [ 文化・歴史 ] 2023年11月03日管楽合奏コン全国大会へ赤穂西中吹奏楽部 夏の雪辱果たす [ 文化・歴史 ] 2023年10月30日塩屋荒神社で秋祭り 東西の大屋台が勇壮に練り [ 文化・歴史 ] 2023年10月22日絵マップコンクール「ありがとう作品展示会」 幻の「藤緞通」復元 糸作りから自ら 丹後・上世屋で技術学ぶ [ 文化・歴史 ] 2023年10月21日「2023赤穂市美術展」が開幕 絵画、書など268点 [ 文化・歴史 ] 2023年10月19日2023年度文化・スポーツ賞 受賞者決定=赤穂市 頭人行列に獅子舞 尾崎・赤穂八幡宮「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2023年10月15日獅子舞存続 児童らが議論「未来に残すべき」 平田オリザ氏講演 先着300人募集 地域連携フォーラム 「坂越の船祭」男衆ら活気 4年ぶり獅子舞も [ 文化・歴史 ] 2023年10月08日子どもの笑顔でほっこり 福浦の山脇五都子さん水彩画展 [ 文化・歴史 ] 2023年10月08日「工房マップ作って」伝統工芸作家ら42人が要望 [ 文化・歴史 ] 2023年10月07日
コメントを書く