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「君の恵に」思い出の唱歌を書に

 2015年12月01日 
思い出深い義士唱歌を題材に書と写真の作品展を開いた新家一夫さん
 赤穂義士の忠節を称えて子どもの頃に歌った唱歌を懐かしみ、北野中の書家、新家一夫さん(88)が「四十七士の歌」の歌詞を題材にした作品を坂越のギャラリー喫茶「高瀬舟」で展示している。
 「四十七士の歌」は、「鉄道唱歌」を作った大和田建樹が作詞、「夏は来ぬ」などを手掛けた小山作之助が「本元子」のペンネームで作曲し、明治34年(1901)の『国民教育忠勇唱歌第二集』に「四十七士」の題名で所収され40番まである。1番の歌い出しをとって「君の恵に」の題名で呼ばれることもある。
 昭和2年生まれの新家さんが小学生だったころは、義士が討ち入った12月14日に合わせて児童らが午前0時に学校を出発。「きみのーめぐみにくーらぶればー♪」と大きな声で合唱しながら上仮屋の大石神社まで行進したという。
 同神社で参拝を済ませてから義士墓所がある花岳寺へ。境内で義士追慕の「庭の桜は」を歌った後は自由行動となり、忠臣蔵の映画を見に行ったり、義士祭見物に繰り出したり。新家さんが通った坂越小だけでなく、他の地区の子どもたちも同様だったが、GHQの統制で戦後は行われなくなった。
 「懐かしい想い出ですので一節書いてみました」と新家さん。「四十七士の歌」は1番から3番、「庭の桜は」の1番を書したパネル4点と趣味のカメラで撮影した大石内蔵助像や義士祭の写真5点を展示している。
 ギャラリーを運営する橋本睦男さん(69)は、「新家さんに近い世代のお客さんは作品を見て歌ったり、懐かしさのあまり涙ぐんだりする人もあります。昔話に花を咲かせてもらえれば」と話している。
 12月24日(木)まで金土日を除く午前10時〜午後4時。Tel48・7122。
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掲載紙面(PDF):
2015年12月12日(2165号) 3面 (10,771,644byte)
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