「北前船寄港地」でまちおこし
2016年04月16日
「北前船寄港地」をテーマに地域おこしを始めた「坂越のまち並みを創る会」のみなさん。後ろは赤穂市立歴史博物館の廻船模型
資料や文献の調査研究と情報発信を進めるとともに、全国各地の寄港地が集う「北前船フォーラム」にも参加。北前船が文化庁の「日本遺産」に認定されることを目指すフォーラムの運動にも積極的に参画していく。
北前船は、江戸時代から明治時代にかけて西廻り航路(大坂〜下関〜北国・蝦夷地)に就航した廻船。上方の綿や塩などを北国へ運び、復路で海産物や紅花などを持ち帰った。天然の良港を持つ坂越は西廻り航路の寄港地の一つ。岩崎、大西、奥藤、渋谷といった地元廻船業者も航路に乗って物資輸送と交易を行い、坂越は大いに栄えた。
そうした歴史に着目したのが地元のまちづくり団体「坂越のまち並みを創る会」(門田守弘会長)。昨年7月から5人の実行委員を中心に学習会を開き、県の「『がんばる地域』交流・自立応援事業」の助成を活用して新潟や福井、島根など寄港地としての歴史を持つ自治体を訪問して情報収集。11月には石川県加賀市で開催された「第17回北前船寄港地フォーラム」にも出席して関係者との交流を図った。
また、北前船をテーマに郷土史家や一般から公募した論文やエッセイを月1回程度のペースで紹介する機関紙の発行を先月からスタート。採用分には「北前船寄港地を日本遺産へ応援饅頭」と印刷した特製包装の塩味饅頭を進呈するなど、話題づくりにも工夫を凝らす。今後は看板の設置や来年2月に地元での開催を予定している企画展で機運を高める。
今年2月には、平成29年のフォーラム開催地に決定している鳥取市の深澤義彦市長が、フォーラム構成自治体で協議会を設立して来春の日本遺産認定を目指す構想を発表した。活動への追い風が吹く中、同会では他の寄港地と連携した観光プランの事業化にも取り組む予定で、「ついでではなく、ここを目当てに人が集まるような、歴史と風情が薫る魅力ある坂越を形作っていきたい」と意気込んでいる。
* * *
▽日本遺産=地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもの。地域に点在する遺産を「面」として活用・発信して地域活性化を図ることを目的に、東京オリンピックが開催される2020年までに100件程度の認定を目指している。
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掲載紙面(PDF):
2016年4月16日(2181号) 1面 (10,359,763byte)
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コメント
坂越のまち並みを創る会、県、市、関係各位の皆さんの地道な努力に乾杯!
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投稿:おめでとうございます 2017年11月24日コメントを書く