【読者の声】体育館送迎バス存続して
2017年03月11日
赤穂市民総合体育館の無料送迎バスを利用してストレッチ教室に通っています。3月末でバスの運行が打ち切りになると聞きました。私は車を運転できませんので、バスがなくなると通うことができません。何とか存続してもらえないでしょうか。(坂越中校区の90歳女性)
* * *
無料送迎バスは体育館までの距離が比較的遠い地域の利用者の利便性向上を図ろうと、平成24年度に指定管理者になったコナミスポーツクラブがその年から導入。各小学校を回る北ルート(原、有年、高雄、坂越、尾崎)と西ルート(赤穂西、塩屋)で毎週水曜と土曜に各1往復しているが、今月4日、3月末での廃止が利用者に告知された。
コナミによると、利用者数は「北ルートは4〜5人、西ルートはほとんどゼロ」。当初計画ではマイクロバスでの運行を予定していたが利用が伸びず、試験運行で使った10人乗りのワゴン車から切り替えることなく現在に至っている。
今年度末が指定管理者としての5年間の契約満了にあたり、コナミは今後5年間の施設管理計画案に「送迎バス運行の見直し」を記載。次期指定管理者の選定にはその他に3団体が応募したが、「送迎サービスを計画案に盛り込んだところはなかった」(市教委)という。学識経験者と市幹部による選定委員会が総合的に評価した結果、コナミを核とする運営団体が選ばれた。
送迎バス廃止について、コナミは「利用者人数が想定よりも少なかった。今後は内部充実で利用者の満足度向上を図っていきたい」とし、送迎バス利用者については、「市内循環バス『ゆらのすけ』を使って来館していただければ」と話す。
80代女性の利用者は「以前は病気がちでしたが、体育館で運動するようになって元気になりました。バスがなくなると、もう体育館へは行けませんので、とっても残念です」と嘆く。「ゆらのすけ」は体育館が開くよりも30分以上早く到着するダイヤになっている。
市教委スポーツ推進課は「指定管理者とバス利用者の話を聞いてみるが、運行見直しを含む計画で選定された」と存続は困難との見方。「ゆらのすけで早く到着した利用者が開館前でも建物内に入れるようにできないか指定管理者と相談してみる」と話している。
* * *
赤穂民報より
送迎バス運行にかかる経費について、コナミは「共同運営の別会社に他の業務も含めて一括で任せているのでわからない」と明らかにせず、費用対効果は明確になっていません。 「西ルートは帰りが午後になる運行時間が敬遠された。宣伝も不足していた」と指摘するスタッフもあり、選定委員会で丁寧に検証すべきだったのではないでしょうか。
送迎バスの利用者の一人は「体育館で運動するようになって薬を飲まなくなった」といいます。送迎バスは、税金を費やす「支出」がある一方で、医療費で「抑制」に役立っている面もあるということです。また、金額では表せない「幸福」というメリットもあるでしょう。
この件は、地域交通を公共がどこまで保障するかという本質的な課題を含んでいます。今後、高齢化がさらに進行することを考えれば、体育館だけでなく市役所や病院、買い物へのアクセスの充実は重要な行政課題です。「ゆらのすけ」の増便は不可欠ではないでしょうか。
掲載紙面(PDF):
2017年3月11日(2223号) 4面 (16,599,915byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
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無料送迎バスは体育館までの距離が比較的遠い地域の利用者の利便性向上を図ろうと、平成24年度に指定管理者になったコナミスポーツクラブがその年から導入。各小学校を回る北ルート(原、有年、高雄、坂越、尾崎)と西ルート(赤穂西、塩屋)で毎週水曜と土曜に各1往復しているが、今月4日、3月末での廃止が利用者に告知された。
コナミによると、利用者数は「北ルートは4〜5人、西ルートはほとんどゼロ」。当初計画ではマイクロバスでの運行を予定していたが利用が伸びず、試験運行で使った10人乗りのワゴン車から切り替えることなく現在に至っている。
今年度末が指定管理者としての5年間の契約満了にあたり、コナミは今後5年間の施設管理計画案に「送迎バス運行の見直し」を記載。次期指定管理者の選定にはその他に3団体が応募したが、「送迎サービスを計画案に盛り込んだところはなかった」(市教委)という。学識経験者と市幹部による選定委員会が総合的に評価した結果、コナミを核とする運営団体が選ばれた。
送迎バス廃止について、コナミは「利用者人数が想定よりも少なかった。今後は内部充実で利用者の満足度向上を図っていきたい」とし、送迎バス利用者については、「市内循環バス『ゆらのすけ』を使って来館していただければ」と話す。
80代女性の利用者は「以前は病気がちでしたが、体育館で運動するようになって元気になりました。バスがなくなると、もう体育館へは行けませんので、とっても残念です」と嘆く。「ゆらのすけ」は体育館が開くよりも30分以上早く到着するダイヤになっている。
市教委スポーツ推進課は「指定管理者とバス利用者の話を聞いてみるが、運行見直しを含む計画で選定された」と存続は困難との見方。「ゆらのすけで早く到着した利用者が開館前でも建物内に入れるようにできないか指定管理者と相談してみる」と話している。
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赤穂民報より
送迎バス運行にかかる経費について、コナミは「共同運営の別会社に他の業務も含めて一括で任せているのでわからない」と明らかにせず、費用対効果は明確になっていません。 「西ルートは帰りが午後になる運行時間が敬遠された。宣伝も不足していた」と指摘するスタッフもあり、選定委員会で丁寧に検証すべきだったのではないでしょうか。
送迎バスの利用者の一人は「体育館で運動するようになって薬を飲まなくなった」といいます。送迎バスは、税金を費やす「支出」がある一方で、医療費で「抑制」に役立っている面もあるということです。また、金額では表せない「幸福」というメリットもあるでしょう。
この件は、地域交通を公共がどこまで保障するかという本質的な課題を含んでいます。今後、高齢化がさらに進行することを考えれば、体育館だけでなく市役所や病院、買い物へのアクセスの充実は重要な行政課題です。「ゆらのすけ」の増便は不可欠ではないでしょうか。
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2017年3月11日(2223号) 4面 (16,599,915byte)
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投稿:ゆう 2017年06月27日0 0
投稿:でんでん 2017年03月12日コメントを書く