聖地から聖地へ「縁結びの松」移植へ
2019年01月01日
国岡さんから長棟さん(左)へ託された「縁結びの松」
来月14日のバレンタインデーに「縁(円)結びの松」として移植し、記念のモニュメントも設置する。
クロマツは牛窓神社の参道入り口付近にあり、高さ約4メートル。根本から数十センチ上に直径40センチほどの輪がある。10年ほど前、同ミュージアム支配人で造園職人の長棟光亮さん(45)が初詣で同神社を訪れたときに見つけ、「これは珍しい。ぜひ譲ってほしい」と持ち主を捜し、近くに住む農業、国岡豊さん(80)の所有とわかった。
国岡さんによると、このクロマツは亡父が今から約40年前に幼木を植えたもの。当時小学生だった国岡さんの長男がいたずら心で幹を輪っかに結び、そのまま木が成長したのだという。
最初のうちは「家族の思い出がある松なので」と長棟さんの申し出を断っていた国岡さんだが、「恋人の聖地のシンボルとして大切に育てていきます」と繰り返し懇願する長棟さんの熱意にほだされ、3年前に譲渡を承諾。その後、日照不足で枯れかけたが、長棟さんが何度も現地へ通って剪定や防虫などの世話をし、すっかり樹勢を取り戻した。
同ミュージアムでは瀬戸内海を一望できるロケーションの良さから結婚式や婚活パーティーが開かれることも。クロマツは日当たりの良い庭園に移し植えられる予定で、「手放すことに寂しさはあるが、きっと大切に育ててもらえると思う」と国岡さん。
移植にかかる費用は地域活性クラウドファンディング「ファーボ」で一般からの寄付を呼びかけるほか、モニュメントのデザインも公募する予定。長棟さんは「みなさんに愛されるスポットを創り上げたい」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2019年1月1日・第1部(2307号) 1面 (8,714,445byte)
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