県文化財の恵比寿大黒舞、面の完成祝う
2019年03月17日
恵比寿面と大黒面の完成披露会
恵比寿大黒舞は宝専寺で江戸中期ごろから始まったと伝えられ、大正以降に廃れかかっていたのを唯一の伝承者だった藤本茂吉氏によって復興。1968年に保存会が発足し、72年に県無形民俗文化財に指定された。
行事や祝席で舞を披露するとき以外は面を持ち出せない決まりがあり、保存会の練習はこれまで面をつけずに行っていた。面をつけて舞うときの首の角度など細かい伝承が難しく、「稽古にも使える面を作ろう」と発案。能面制作歴約10年の大矢根文一さん(78)=清水町=の監修で山本俊郎会長(75)と会員の小川剛さん(28)が昨年2月から面打ちに取りかかり、約1年がかりで完成させた。
この日は境内に集まった観客約150人を前に恵比寿舞、大黒舞の順に上演。恵比寿さんが観客と釣り竿を引き合ったり、大黒さんが打ち出の小槌を観客の頭にかざしたり、それぞれの見せ場で盛り上がった。
保存会メンバーが指導する尾崎小学校の「恵比寿大黒舞クラブ」の子どもたち9人も衣装を着けて参加。大人の後ろで共演した。3年生から4年間クラブで活動した部長の北條凜玖君(12)=6年=は「大勢の人で緊張した。クラブの活動はこれが最後になるけど、大人になったらまたやってみようかな」。
山本会長は「たくさんの人が来てくれたことが何よりの励み。これからも地域ぐるみで子や孫に伝統を継承していきたい」と抱負を語った。
<前の記事 |
関連サイト:
【関連記事】恵比寿面と大黒面 保存会が手作り
掲載紙面(PDF):
2019年3月23日号(2318号) 4面 (9,504,731byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
型絵染の人間国宝、没後30年展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月20日バイオリン教室、第13期生募集 鳥井の坂に伝統の音頭響く [ 文化・歴史 ] 2014年01月13日13日に伝統の「曳きとんど」 [ 文化・歴史 ] 2014年01月08日歴史フォーラム「官兵衛と西播磨」 縁起の良い図柄、赤穂緞通展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月07日時代感じる「お正月の民具」展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月06日「義士を描いた画家」長安雅山、没後50年 [ 文化・歴史 ] 2013年12月28日郷土色豊か、伝統凧50点 [ 文化・歴史 ] 2013年12月25日長野の「義士踊り」赤穂で奉納 [ 文化・歴史 ] 2013年12月15日赤穂民報・第20回習字紙上展の作品募集 長野「中関義士踊り」14日演舞 「潔いと評判」討ち入り翌日の書簡 [ 文化・歴史 ] 2013年12月12日「四十七士の歌」市民合唱団がCD化 [ 文化・歴史 ] 2013年12月12日赤穂浪士の人員配置図をネット公開 [ 文化・歴史 ] 2013年12月11日
コメントを書く