「過失の原因知りたい」医療過誤被害家族の声
2022年10月01日
医療過誤訴訟で赤穂市と当時の主治医を訴えている患者家族が赤穂民報のインタビュー取材に応じた。
* * *
――なぜ、裁判に訴えたのですか。
「当初は全く裁判は考えておりませんでした。2020年6月2日に病院4階の応接室で藤井隆院長(当時)から『手術を担当した医師による手技上の過誤があった』『かなり技術的な問題が第三者の医師によっても指摘された』との説明があり、『今後誠意をもった対応をしていく』とのことでしたので、ちゃんと対応してくださるものと信じていましたし、私自身も円満解決を望んでいました」
「しかし、1年経っても具体的な和解条件の提示はなく、それどころか、事故を過小に評価させるような動きまで見られました。また、『同じ医師が執刀した他の患者様の手術でも過誤を含む多くの医療事故が起きていて、死亡者まで出ている』『臨床工学技士からは殺人に近い行為に加担することは出来ない、共犯者になりたくないという理由でボイコットまで起きている』という話を聞き、私は医師を懲戒免職にするか、それができないならせめて記者会見を開いて問題を公にするよう病院にお願いしました」
「しかし、聞き入れられることはなく、『公務員は守られている』という不誠実で一辺倒な回答でした。医療従事者からも『〇〇先生に外科医を続けさせたくない』『示談せずに公にしてほしい』と要望され、悩んだ末に裁判に踏み切りました」
――病院は「裁判になる前から和解の話はしていた」と説明しています。
「先ほども申しましたが、『今後誠意をもった対応をしていく』との発言と意向伺いの連絡はあったものの、病院側から具体的な金額を伴った和解案の提示を受けたことは一度もありません」
――病院は今年6月28日の記者会見で「裁判の長期化を回避することで原告の負担の軽減を図ることができるのではないか」として和解を申し出る意向を示しました。和解の提案はありましたか。
「ありません。会見を開いたという連絡すらありませんでした。会見での発言は何だったんだろうと思います。『過失は認めている』とおっしゃっていますが、私は『なぜ過失が起きたのか』『なぜ多くの医療事故を起こしている医師に医療行為をさせ続けてしまったのか』についても知りたいのです。裁判になる前、病院に医療事故の検証資料の開示を求めましたが、『裁判所から言われない限り、患者であっても開示できない』と断られました。なので、裁判で明らかにするしかないと思っています」
――病院に望むことはありますか。
「母は手術当日まで自分の足で歩いていました。出来ることなら母の身体を手術前の状態に戻していただきたいというのが本心です。しかし、それはもう不可能だと主治医から説明を受けました。せめて本当に『原告の負担の軽減』を考えていただけるのなら、これ以上、裁判を引き延ばすようなことをせず、証拠書類を裁判所に提出し、誠実に対応してくださることを切に願います」
掲載紙面(PDF):
2022年10月1日号(2478号) 3面 (10,186,580byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
* * *
――なぜ、裁判に訴えたのですか。
「当初は全く裁判は考えておりませんでした。2020年6月2日に病院4階の応接室で藤井隆院長(当時)から『手術を担当した医師による手技上の過誤があった』『かなり技術的な問題が第三者の医師によっても指摘された』との説明があり、『今後誠意をもった対応をしていく』とのことでしたので、ちゃんと対応してくださるものと信じていましたし、私自身も円満解決を望んでいました」
「しかし、1年経っても具体的な和解条件の提示はなく、それどころか、事故を過小に評価させるような動きまで見られました。また、『同じ医師が執刀した他の患者様の手術でも過誤を含む多くの医療事故が起きていて、死亡者まで出ている』『臨床工学技士からは殺人に近い行為に加担することは出来ない、共犯者になりたくないという理由でボイコットまで起きている』という話を聞き、私は医師を懲戒免職にするか、それができないならせめて記者会見を開いて問題を公にするよう病院にお願いしました」
「しかし、聞き入れられることはなく、『公務員は守られている』という不誠実で一辺倒な回答でした。医療従事者からも『〇〇先生に外科医を続けさせたくない』『示談せずに公にしてほしい』と要望され、悩んだ末に裁判に踏み切りました」
――病院は「裁判になる前から和解の話はしていた」と説明しています。
「先ほども申しましたが、『今後誠意をもった対応をしていく』との発言と意向伺いの連絡はあったものの、病院側から具体的な金額を伴った和解案の提示を受けたことは一度もありません」
――病院は今年6月28日の記者会見で「裁判の長期化を回避することで原告の負担の軽減を図ることができるのではないか」として和解を申し出る意向を示しました。和解の提案はありましたか。
「ありません。会見を開いたという連絡すらありませんでした。会見での発言は何だったんだろうと思います。『過失は認めている』とおっしゃっていますが、私は『なぜ過失が起きたのか』『なぜ多くの医療事故を起こしている医師に医療行為をさせ続けてしまったのか』についても知りたいのです。裁判になる前、病院に医療事故の検証資料の開示を求めましたが、『裁判所から言われない限り、患者であっても開示できない』と断られました。なので、裁判で明らかにするしかないと思っています」
――病院に望むことはありますか。
「母は手術当日まで自分の足で歩いていました。出来ることなら母の身体を手術前の状態に戻していただきたいというのが本心です。しかし、それはもう不可能だと主治医から説明を受けました。せめて本当に『原告の負担の軽減』を考えていただけるのなら、これ以上、裁判を引き延ばすようなことをせず、証拠書類を裁判所に提出し、誠実に対応してくださることを切に願います」
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年10月1日号(2478号) 3面 (10,186,580byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
「地域のつながり再確認を」地域安全市民大会 [ 社会 ] 2024年10月28日投票用紙を二重交付 期日前投票済みを見落とし [ 社会 ] 2024年10月28日《衆院選2024》山口氏8選 池畑氏は比例復活で2選 [ 社会 ] 2024年10月28日女性の参画進めるには? はりま台自治会に視察 [ 社会 ] 2024年10月24日第43回危険業務従事者叙勲 [ 社会 ] 2024年10月21日関西電力赤穂発電所 来年7月末で廃止決定 「赤穂の魅力をPR」第38代義士娘が決定 [ 社会 ] 2024年10月13日「犯人が県境越えて逃走」3署合同で広域緊急配備訓練 [ 社会 ] 2024年10月08日創立80周年の相生産業高で記念式典 [ 社会 ] 2024年10月06日赤穂玩具博物館 20周年記念で出前紙芝居 《赤穂市議選2025》主要日程が決定 4月6日投開票 [ 社会 ] 2024年10月02日丸山サンビーチ駐車場 1時間まで無料に 繁忙期は値上げも [ 社会 ] 2024年09月29日《市民病院医療事故多発》偽証強要疑惑 市長「事実確認は必要」 [ 社会 ] 2024年09月28日能登で復興支援の関福大生ら大学祭で募金活動へ 「安全運転を」中学生がイラストカードで呼び掛け
コメント
僕のYouTubeを見て頂きありがとうございます。
ご指摘の慰謝料の金額提示の件ですが、被害者の家族の方のブログの中で、市民病院側の弁護士も和解条件の提示がなかった事は認めているので、どちらがウソをついているかおわかり頂けるのではないでしょうか。
23 10
投稿:矢野英樹 2022年10月27日噂では「病院が提案した和解案を患者側が拒否して裁判になっている」と聞きましたが、この記事だと「具体的な金額を伴った和解案の提示を受けたことは一度もありません」と患者さんのご家族がおっしゃっているのですね。どちらが本当なのでしょうか?
12 6
投稿:60代主婦です 2022年10月27日22 9
投稿:K 2022年10月03日コメントを書く