群集墳テーマに特別展「播磨に現れた黄泉国」
2024年10月18日
今から1300〜1500年前に日本列島各地で数多く築かれた古墳群にスポットを当てた特別展「群集墳―播磨に現れた黄泉国―」が有年楢原の赤穂市立有年考古館で開かれている。
群集墳とは、小型の古墳が密集した古墳群で5世紀から8世紀初めにかけて盛んに築かれた。北海道から鹿児島まで、その数は全国で10万基以上に及んだとされ、「日本列島全体が古墳造りに沸いた、まさに『古墳ブーム』の時代」(山中良平学芸員)だったという。
6世紀になると「横穴式石室」と呼ばれる埋葬用の部屋が設けられ、一つの古墳に数人から十数人を埋葬する「追葬」が始まった。初期群集墳の時代には「軍事や外交で王や有力者に仕えた人々」に限られていた埋葬対象は地域の有力者や豪農にも拡大され、より広い階層が葬られるようになった。しかし、大和朝廷が646年に「薄葬令」を定め、必要以上に大きな墓を造ることを禁止した以降は徐々に古墳は築かれなくなり、播磨でも8世紀初頭を最後に群集墳の築造や追葬はほぼ行われなくなったという。
今展では、上郡町の大酒古墳群、姫路市の丁山頂古墳など播磨各地の群集墳約30か所を時代順に紹介。出土品約220点を展示し、時代に伴い変遷した古墳の構造や埋葬方法などを通して、当時の社会や死生観の移り変わりを考察している。
「群集墳は当時の人々にとって単なる『墓地』ではなく、自らの身分や地位、死生観を表す重要な場所だった。だからこそ、自分や集団を表現するために、競い合うように個性豊かな群集墳を築いたのだろう」と山中学芸員。「展示を通して、遠い昔を生きた人々の豊かな歴史と文化を感じてもらえれば」と話す。
入館無料。11月18日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半まで)。火曜休館。TEL49・3488。
掲載紙面(PDF):
2024年10月19日号(2572号) 3面 (8,834,273byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
貴重な出土品が並ぶ有年考古館の特別展「群集墳―播磨に現れた黄泉国―」
群集墳とは、小型の古墳が密集した古墳群で5世紀から8世紀初めにかけて盛んに築かれた。北海道から鹿児島まで、その数は全国で10万基以上に及んだとされ、「日本列島全体が古墳造りに沸いた、まさに『古墳ブーム』の時代」(山中良平学芸員)だったという。
6世紀になると「横穴式石室」と呼ばれる埋葬用の部屋が設けられ、一つの古墳に数人から十数人を埋葬する「追葬」が始まった。初期群集墳の時代には「軍事や外交で王や有力者に仕えた人々」に限られていた埋葬対象は地域の有力者や豪農にも拡大され、より広い階層が葬られるようになった。しかし、大和朝廷が646年に「薄葬令」を定め、必要以上に大きな墓を造ることを禁止した以降は徐々に古墳は築かれなくなり、播磨でも8世紀初頭を最後に群集墳の築造や追葬はほぼ行われなくなったという。
今展では、上郡町の大酒古墳群、姫路市の丁山頂古墳など播磨各地の群集墳約30か所を時代順に紹介。出土品約220点を展示し、時代に伴い変遷した古墳の構造や埋葬方法などを通して、当時の社会や死生観の移り変わりを考察している。
「群集墳は当時の人々にとって単なる『墓地』ではなく、自らの身分や地位、死生観を表す重要な場所だった。だからこそ、自分や集団を表現するために、競い合うように個性豊かな群集墳を築いたのだろう」と山中学芸員。「展示を通して、遠い昔を生きた人々の豊かな歴史と文化を感じてもらえれば」と話す。
入館無料。11月18日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半まで)。火曜休館。TEL49・3488。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2024年10月19日号(2572号) 3面 (8,834,273byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
詩吟体験教室の子どもたちが奉納吟詠 JR有年駅に埴輪の絵画 故堂本隆也さん遺作 [ 文化・歴史 ] 2022年08月13日市民文化祭 短歌会と俳句会の作品募集 日本遺産写真展 作品を公募 県展2022 3部門で3人入選 [ 文化・歴史 ] 2022年08月10日「角立てない」伝統の書体 播磨提灯 気持ちや思い自由に表現「デザイン書道」 [ 文化・歴史 ] 2022年08月04日繊細な明暗バランス「紡がれる想い」須藤克明展 [ 文化・歴史 ] 2022年07月30日第37回赤穂民報習字紙上展の入賞者 講演会「山鹿素行の教育思想」7日にハーモニーH 今年で第20回 あこう絵マップコン作品募集 第37回赤穂市美術展 5部門で作品募集 県史跡指定30周年記念「沖田遺跡のひみつ」展 [ 文化・歴史 ] 2022年07月16日宮前桜プロジェクト 加工した素材を展示 [ 文化・歴史 ] 2022年07月02日子どもたちが恒例の「お田植え祭」
コメントを書く