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「夢はパラリンピック」坂越の関口真依さん 日本ゴールボール協会の強化指定

 2024年10月26日 
 日本ゴールボール協会の強化指定Eランクに坂越の関口真依さん(16)=兵庫県立視覚特別支援学校高等部1年=が指定された。競技歴は浅く、選手としての実績もまだない中、「今後の成長の可能性を期待」(同協会)されての抜擢。今月20日と21日には東京・ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われた強化合宿に参加した。

日本ゴールボール協会の強化指定を受けた関口真依さん


 関口さんは先天的に肌や髪の色素が少ない眼皮膚白皮症(アルビノ)で両眼の視力が弱く、視野も狭いがスポーツが大好き。水泳に陸上、フロアバレー、サウンドテーブルテニスなどさまざまな競技を楽しんでいる。坂越小を卒業して入学した県立視覚特別支援学校で先輩から誘われてゴールボール部に入部した。

 昨年10月、次世代の選手発掘などを目的に同協会が主催した合宿に参加。そこで日本女子代表のエース、萩原紀佳選手(23)と一緒にプレーし、間近で話を聞く機会に恵まれた。萩原さんは網膜芽細胞腫により右目の視力はなく、左目の視力は0・06で光やシルエットが分かる程度。チーム最年少で出場したパラリンピック東京大会で銅メダルを獲得し、今夏のパリ大会でも活躍が光った。萩原さんの話に刺激を受けた関口さん。合宿で見せた「めちゃくちゃやる気を出した」という動きが協会関係者の目に留まった。

 Eランクは6段階ある強化指定の区分で一番下のランク。「現時点での競技力ではなく今後の成長の可能性を期待され、育成選手として合宿参加する位置づけ」だという。協会は「関口さんの競技にひたむきに取り組む姿勢を評価した。合宿では上のレベルの選手から多くの事を学び吸収してほしい」とステップアップを期待している。

 今年、関口さんにはもう一つうれしいサプライズがあった。憧れの萩原さんから「同じチームでやりませんか」と誘われたのだ。9月には自身にとって初の公式戦となる日本選手権予選に出場。「好きな数字」という背番号7のユニフォームで萩原さんと同じコートに立った。ミスもしたが、チームは本戦への出場権を獲得。11月2・3日に埼玉県所沢市で行われる第31回日本ゴールボール選手権大会で日本一に挑む。

 関口さんは10月26日から佐賀県で行われる全国障害者スポーツ大会にも陸上(走幅跳、ソフトボール投)で出場する。そうした大会を通じて全国各地に友達が増えているという。「真依は明るくて頑張り屋さん。人との縁に恵まれています」と母の千佳さん(50)。「ゴールボールを頑張るようになって、筋力がついて、もっとスポーツが好きになった。うまくなるには改善しないといけないところが山ほどあるけど、萩原さんと一緒にパラリンピックに出るのが夢」と話す関口さんの前に世界が広がっている。
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掲載紙面(PDF):
2024年10月26日号(2573号) 1面 (8,836,773byte)
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